クローブ…。きっとスパイスにさほど興味がなければ良く知らない部類に入るのではないでしょうか。
でも、日本でも古くから使われていたりするんです。日本刀の錆止め⁉︎としてです。もちろんカレーにも使われるのですが、クローブとはどのようなもので、どんな使われ方をされているのか見てみましょう。
日々の生活にスパイスを⑦・クローブの特徴と使い方、効能8選
見た目が釘のような形をしているところから、中国語では「丁」が使われ、フランス語では「Clou」で、そのフランス語から英語では「Clove」と呼ばれるようになったと言われています。
とても甘い香りと舌が痺れるような刺激が特徴的です。歯医者を連想させる香りでもあります。その辺りは、カルダモンとも似ているイメージがあります。
クローブの特徴的な香気成分は「オイゲノール」です。このオイゲノールの作用がクローブの大きな特徴の一つで、抗菌・抗ウイルス作用が強いのがオイゲノールの主な特徴です。
ゴキブリが嫌いな臭いといわれ、ゴキブリよけに使われたりもしますし、上記にもありますように日本刀の錆止めににも使われていたようです。
インドや中国では、古くから殺菌・消毒剤とし使われたり、媚薬としても使われていたとされています。
アーユルヴェーダでは、「天国の花」とか「天国の香り」といわれ、風邪予防・口臭予防や歯痛・咽頭炎・消化不良・インポテツなどに対して使われてきました。ちなみに、花言葉は、「高貴・神聖・尊厳」などです。
クローブが混ぜられているタバコもあります。インドネシアがその中心で、クローブを混ぜたタバコは「クレテック」と呼ばれます。「ガラム」というタバコはその1つで、火をつけると甘い香りがします。日本でも好んでガラムを喫煙する方もいます。
クローブの木は、種子が発芽してから約20年で完全に成長し、その後50年程実をつけ続けるようで、人の人生の時間経過のようです。モルッカ諸島の人々は、子供が産まれると一本のクローブを植えたといわれています。そして、きっとその木と共に人生を歩んだのでしょう。
クローブの効能
1、虫除け
上記にもあるように、クローブの香りを嫌う虫が多く、虫除けに使われてきました。特に、ゴキブリ除けとして知られています。
2、胃腸の調子を整える
クローブは、消化酵素の分泌を促す働きや腸内のガスを排出する働きを持っていたり、血行を良くし体を温める働きを持っていて、胃腸を温める効果があり胃腸の働きを良くすると言われています。
酸性度を和らげる作用や、蠕動運動を改善する作用があると言われ、胃酸などの逆流を抑制する働きが期待されています。
抗菌作用などにより、胃の中の抗菌や下痢の予防や緩和にも役立つようです。
3、抗菌作用・口内のトラブルの緩和
上記にもありますように、クローブに含まれるオイゲノールによる抗菌作用は大きな特徴の1つです。クローブを噛んで、インフルエンザの予防などに使われる事もあるようです。
口内衛生を維持するのにも良いとされ、喉の痛み、歯肉炎や歯痛などの口内のトラブルなどの防止に使われる事が多いようです。
シナモンとハチミツの組み合わせも良いと言われていますが、クローブ少々とハチミツ大さじ1杯を混ぜて馴染ませたものを口に含み、喉にコーティングさせるようにすることで、喉の痛みを緩和する助けになるとも言われているようです。
4、体を温める・生理痛の緩和
オイゲノールには子宮強壮作用があるとされ、体を温める作用や鎮痛作用もあいまって、体が冷えやすい女性や、子宮の働きを助け、生理痛の緩和に期待されています。
5、抗酸化作用・生活習慣病の予防
オイゲノールには強い抗酸化作用もあると言われています。それにより、老化抑制や血栓予防など生活習慣病の予防に期待されます。
血糖値を下げると言われていて、糖尿病の悪化抑制などにも期待されています。
免疫系や甲状腺機能に良い刺激を与える効果もあると言われています。
6、関節痛や筋肉痛の緩和
オイゲノールの持つ鎮痛作用により、関節痛や筋肉痛やリウマチの痛みの緩和、炎症を緩和すると言われています。
クローブには、オメガ3脂肪酸や鉄分やカルシウムなどが豊富ということもあり、関節や骨にも良い影響を与えることが期待されます。
7、鼻づまりや咳など呼吸器系トラブルの緩和
クローブはオイゲノールの特徴の一つにより、痰の抑制の働きを持つと言われており、アーユルベーダなどでも、痰を鎮める作用があるとされていたりします。
抗菌性により、鼻や胸などの空気の入り口とも言えるところを守ることにもなり、呼吸器系を助ける働きが期待されます。
8、リラックス効果
クローブの成分であるオイゲノールには、リラックス効果や強い媚薬効果があると言われています。
クローブの精油、香りは高まり過ぎた興奮を抑えてリラックスを促す効果があり、そして気分を明るく楽しする作用もあるとされ、使われています。
注意点
ニキビなどにも良いと言われていますが、皮膚に使う場合は、濃度に注意しないと、皮膚に対する刺激が強すぎる場合があります。
クローブの使い方・簡単レシピ
基本的に、料理を作るときにホールで使う場合は、調理後に取り除きます。
カレーやチャイの香り付け・お菓子やドリンクの香り付けとしてよく知られています。他にも、上記にもあるようにゴキブリ除けなどに使われるなどもあります。それではいくつか、クローブの使い方をご紹介します。
1、カレー
やはりここは押さえておきたいところです。クローブは、カレーを作るスパイスの一つとして使われます。香りが特徴的なので、カレーの味や香りに強く影響しやすいスパイスです。
2、インド風チャイ
水+紅茶葉+クローブ+カルダモン+生姜+シナモン+黒胡椒+ローリエ(スパイスは好みで抜いて下さい)を鍋などに入れて、火にかけ沸騰させます。
沸騰したら弱火にして好みで砂糖を入れます。そして3分ほど煮て、沸騰させ、牛乳を入れます。
また沸騰させ、弱火で3分ほど煮ます。そして再度沸騰させ火から降ろし、茶漉しを通してカップに注いで出来上がりです。
3、天然芳香剤(ポマンダー)
オレンジなどの柑橘系の果物などに、クローブを刺して作ります。日本人から見ると、なかなか奇抜なビジュアルにも見えますが、魔除けとして、ヨーロッパで伝統的に使われてきました。
4、口臭予防
口臭予防のためにクローブを1-2個噛みます。1日2回が目安とされています。天然のマウスウォシュレットのようなものでしょうか。
5、喘息予防
アーユルヴェーダで、喘息予防に良いとされる摂り方があります。それはスパイスとしてのクローブではなく、クローブの精油を使います。
クローブオイル4-5滴、ハチミツ大さじ一杯、つぶしたニンニク一片を混ぜて作ります。それを、就寝前に摂ると良いとされています。
注)使用する場合には、かかりつけの医師に相談してからにして下さい。
クローブまとめ
いかがでしたか?
歯医者や消毒液を思わせるような香りや、口臭予防など、カルダモンと似ているようにも感じるので、慣れるまでは混乱しそうですが、比べてみると違いがわかって面白いかもしれませんね。
クローブの特徴や香りを上手に取り入れることができると、また一つ毎日の楽しみや快適さが増すのではないでしょうか。
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