レモン(檸檬)は、そのまま食べるというよりは、絞って食べ物にかけたり飲み物に入れたり、スムージーや蜂蜜漬けなどで使ったりという使い方が多いと思います。揚げ物にレモン汁をかけると、油の酸化を抑えると言われています。
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歴史的には、航海時代、航海中に患うことが多かった壊血病(ビタミンCの欠乏が原因と言われています)の予防として、レモンが船乗り達の体を守るのに活躍しました。そしてその船に乗り、世界中に広がっていったと言われています。ちなみに、日本に伝わったのは19世紀後半と言われています。
クエン酸とビタミンCが特に豊富です。そして、それ以外にも、近年注目されている栄養素や成分があります。それは、ファイトケミカル(ポリフェノールはファイトケミカルに含まれます)の1種である「エリオシトリン」・「リモネン」・「シトラール」です。このレモンの持つ3つのファイトケミカルの特徴や期待できる効能などをお伝えします。
エリオシトリン
抗酸化抗酸化作用が強く、レモンやライムなどに含まれているフラボノイド系の黄色色素で、ポリフェノールの1種です。
色のイメージからも、柑橘類に含まれているように感じますが、オレンジやグレープフルーツなどにはほとんど含まれていないようです。そして、皮に多く含まれています(果実中の約10倍以上と言われています)。
レモンポリフェノールとも呼ばれています。ビタミンPと呼ばれることもあります。
エリオシトリンの主な期待できる効能3選
1、ダイエット効果
中性脂肪の抑制や肥満の防止に効果があると言われています。これは、ポッカサッポロフード&ビバレッジ中央研究所と三重大学の田中教授との共同実験により、田中教授から発表されました。
腸での脂肪吸収を抑制する働きがあるので、肥満だけでなく動脈硬化などの予防にも期待されています。
2、アンチエイジングや生活習慣病の予防
抗酸化力が強く体内の活性酸素の発生を抑えることで、細胞の老化を防ぐのでアンチエイジング効果があり、生活習慣病の予防に期待ができると言われています。
3、筋肉の老化の防止
運動の酸化ストレスの過酸化脂質などの生成を減らし、運動による酸化ストレスを抑える働きがあります。
ミトコンドリア(細胞の中でエネルギーを生産したりします。ミトコンドリアが細胞の中にたくさんある人は、スタミナがあり、疲れにくいと言われています)の生成を活発にすると言われています。
リモネン
代表的なところで、レモン・グレープフルーツ・ベルガモット・レモングラス などに多く含まれます。ファイトケミカルの1つとされています。アロマオイルの精油に含まれる成分としてよく知られています。
レモンの匂いの元の1つです。酸化しやすく、酸化することで皮膚刺激が起こり、アレルギー反応を起こすことがあります。酸化することでできる、ヒドロペロキシドという成分が原因と言われています。
清涼飲料水やガムなどの香料として使われていたり、界面活性剤を含むので洗剤の成分としても使われています。
リモネンの主な期待できる効能5選
1、リラックス効果・覚醒作用
神経を正常に働かせると言われていて、精神的な不安などを取り除くのに有効だと言われています。匂いを嗅ぐと、脳内にアルファ波が出て、心身をリラックス効果があるとされています。
神経の興奮を鎮めるので、質の良い睡眠につながるとも言われています。
交感神経を刺激するので頭をすっきりさせてくれて、集中力が続かない時には、リモネンの香りでリフレッシュできます。(香りには好みもありますので、個人差が出ます)
2、血行促進・ダイエット効果
交感神経を刺激して血行を促し、体も温まります。エネルギー代謝を上げ、コレステロールを減らし、内臓脂肪を減らしてくれるので、ダイエットに効果が期待されています。
冷え性やむくみの予防につながると言われています。
3、免疫力UP
リモネンには、免疫力を高め、菌やウイルスなどの活動を抑える作用があり、風邪などの予防効果があると言われています。
バイオフィルム(細菌やカビの群で、排水口周りのぬめりなどの原因)の抑制作用もあると言われています。
4、抜け毛予防
脱毛の原因の1つ、5-αリダクターゼを減らす働きがあると言われています。(北里大学の研究)
頭皮頭皮のかゆみの緩和や、フケを抑える効果があると言われています。
5、食欲増進効果
唾液の分泌を促進し、消化吸収の働きを良くします。胃粘膜保護作用も持っていると言われています。これらのことから、食欲増進につながると期待できます。胃腸の蠕動運動を促進する働きもあると言われています。
注意点
精油としては、濃度が高い、紫外線が強い、などの原因で火傷の原因になってしまうことがありますので、肌につけて利用する場合には、日光に当たることには少し注意を払う必要があります。
シトラール
レモンの香りの爽やかさの元です。別名レモナールとも呼ばれる、レモンやレモングラス(名前は似ていますが、レモンの仲間ではなくイネ科の植物で、レモングラスの方がシトラール含有率は高い。)などから採れる精油の主成分です。抗菌作用に優れているのが特徴だと言われています。生姜などにも含まれていることでも知られています。
食品や飲料香料に用いられたり、この香りを嫌う虫が多いので、防虫剤などにも用いられます。
紫外線に弱く、空気に触れると酸化しやすい性質を持っています。(シトラス系の香りが壊れやすい原因と言われています。)
ちなみに、フレグランス(香水もその1つ)では、柑橘類の香りをシトラスノートと呼びます。
シトラールの主な期待できる効能3選
1、抗菌作用
風邪の予防や、水虫などの皮膚に対しても利用されています。(皮膚に対しての使用は、注意が必要です)
2、抗炎症・鎮痛作用
筋肉痛や肩こりなどの痛みの緩和にも効果が期待できると言われています。
3、リフレッシュ・リラックス効果
鎮静作用により、不安やストレスなどの解消に有効だと言われています。さらに、精神を高揚させ、集中力のUPにも効果があると言われています。
注意点
皮膚刺激があって、炎症などのアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
レモンのファイトケミカルまとめ
いかがだったでしょうか。
「エリオシトリン」・「リモネン」・「シトラール」という3つのファイトケミカルは、香りや色など、レモンそのものを象徴しているような特徴を持っていることが分かります。
そして、大きな特徴としてそれらのファイトケミカルは果実より皮に多く含まれているということです。レモン水なども手軽で良いですし、皮を食べるとなると、やはりスムージーかレモンの蜂蜜漬けがオーソドックスな食べ方です。他にも、精油として抽出したりアロマオイルとして利用したりもされています。
スムージーや、レモンの蜂蜜漬けについては、こちらの記事にまとめてありますので、参考にしてみて下さい。
→■「簡単!美味しいグリーンスムージーから始める健康スムージーの基本!!」
→■「レモンの蜂蜜漬けの7つの効果と、作り方・楽しみ方!」