酸化した油は体に良くないと言われています。知らなかったです。
そもそも、酸化した油は体にどう悪いの?
必要でありながら、酸化しやすい油などもあるようです。うまく体に摂りいれるにはどうすればよいのでしょうか?
調べてまとめてみます。
◇油の酸化とは?
◇油の酸化への対策は?
◇酸化しやすいけど体に必要な油とは?
などをテーマに、できるだけ中立にお伝えしていきますが、小難しい解説が入るので太文字のところだけ読んでもらったほうが要点はつかめると思います。
今日で、油への認識が変わることになるかもしれません。
油の酸化とは
油が、酸素や熱・光・水分・金属イオン・微生物の影響で、酸素と結合していき、臭いや味の劣化が生じてきます。これは、酸化が進んでいる事を表します。
油は、酸化していくことで有害になってくるといわれていますが、どういうことなのでしょうか。色々な考え方があるようですが、自分なりにまとめてみましたので、参考にして下さい。
酸化した油はなぜ体に悪いの?4つの対策と防止策
油が酸化していくと、遊離脂肪酸(まだ酸化とは言えない)→脂肪酸ラジカル(酸化しだしたもの)→過酸化脂肪酸ラジカル→過酸化脂質(アルデヒド類など)というような流れで酸化していきます。この過酸化脂質がよろしくないと言われているようです。
ラジカルとは、「他の物質を酸化させる反応性が高まっている状態の分子」を表しています。
酸化が進むと、毒性をもつアルデヒド類などが発生します。アルデヒド類は、ALEsという物質になり、ALEsは細胞をキズつけ老化や病気の原因になると言われていまるのが怖いところです。
酸化した油は、周りのものを酸化させやすい状態や攻撃性の高い状態になっているようです。周りも道連れにしてしまうのです。酸化の連鎖反応に繋がってどんどん酸化させていってしまうから問題です。
新しい油を継ぎ足してはダメ?
酸化した油は、連鎖反応を起こすと言われています。新しい油と古い油は、混ぜない方が良いようです。
先ほど出てきましたが、遊離脂肪酸→脂肪酸ラジカル→過酸化脂肪酸ラジカル、と進んでできた過酸化脂肪酸ラジカルは、遊離脂肪酸(まだ酸化とは言えない)を脂肪酸ラジカルに変えて、自分はアルデヒド類などに変わると考えられています。
これをちょっと分かり易く言い換えてみます。古い油に新しい油を継ぎ足すことで新しい油の遊離脂肪酸が、酸化した古い油の過酸化脂肪酸ラジカルによってラジカル化されます。そして、その古い油はアルデヒド類などの毒性のある物質に変わるという連鎖反応が起こる、ということです。
新しい油で中和されるというよりは、酸化に傾くようです。連鎖は加熱することで起こり、そこに食材が絡むことで進むと言われています。
油は、悪い方に循環するようなので、新旧は混ぜない方が良いようです。
油の酸化は分かるの?
油が酸化しているかは分かります。
酸化が進むのは間違いないのですが、どの時点で有害物質が発生しているのかは油の種類や状態や様々な要因で変わります。ちなみに食べる前の油の酸化に大きな影響を与えるのは、空気中の酸素や温度です。0℃以下でも酸化は進むし、10℃上昇で2倍のスピードで酸化すると言われています。
酸化を見分ける方法
1、加熱すると煙が出る
2、油に粘りがでる
3、泡が消えにくくなる
4、色が褐色になる
5、イヤな臭いがしてくる
こうなってくると酸化してきている現れです。
この他にも、油の酸化を調べる事ができます。過酸化物価(POV)や酸価(AV)を測定する方法です。この2つを測定する酸化測定キットは販売されているので、自分でも油の酸化を測定する事が出来ます。
油の酸化で何が有害なの?
過酸化脂質は、αリノレン酸・EPA・DHA・リノール酸・アラキドン酸などに起こります。
これで、亜麻仁油や青魚の油などに多く含まれるオメガ3脂肪酸(αリノレン酸・EPA・DHA)は酸化しやすいという事がわかります。オメガ3脂肪酸がとても私達に必要なものでありながらなかなか摂れず、摂取量が不足している大きな原因の一つになってしまっています。後ほど、この酸化しやすく摂り入れにくいけれど体にはとても大切なオメガ3脂肪酸のことについて触れることにします。
リノール酸(オメガ6脂肪酸(紅花油・コーン油・サラダ油 などに多く含まれる)から生じる4-ヒドロキシネナールは、アルデヒドの中でも最も強い毒性を示すものです。
リノレン酸は、酸化するとアクロレインというアルデヒドが発生します。
ラジカル化した脂肪酸やアルデヒド類には発ガン性を持つものが多く存在するのです。
発がん性と言っても2つのタイプがあって、「遺伝毒性的発ガン性物質」という、遺伝子のDNAをキズつけることでガンを発生させるものと、「非遺伝毒性的発ガン物質」という、細胞に酸化ストレスを連続的に与え、細胞に増殖刺激が加わる事で、発ガンに繋がるものとがあります。
◇酸化しても大丈夫と言われてもいるが?
先ほど出てきた「アクロレイン」というアルデヒドは、発ガン性を持ちながら、遺伝子を守る性質を持っている事が、研究でわかりました。この情報を断片的に受け取って「油の酸化に害は無い」というような情報が流れる事もあるかもしれませが、「アクロレイン」は非遺伝毒性的発ガン性物質であると考えられています。
やはり、酸化した油はどちらかといえば有害である事を忘れないようにしましょう。
◇酸化した油は食べるとどうなる?
酸化した油は多かれ少なかれ口に入りますが、それはどうなるのでしょう。
ほとんどが、腸の働きによって排泄されます。それが下痢という症状になることもあります。
この防御機能によって、すぐに体が悪くなることはありません。
ですが、この腸の働きも完璧ではなく、腸内環境や腸の状態によって多少アルデヒド類などが体内に吸収されてしまうようなのです。もちろん、摂り入れられたアルデヒド類なども体内で栄養素や内臓の働きで防御されます。
→それらの腸の働きについてはこちらを参考にして下さい。
体の機能がそれぞれ正常に働いていれば、ある程度の酸化した油も問題ないと言えるでしょう。
ところが現代は、油の摂取量が多いのに加え、スナック菓子や外食で摂る油が多く、自分でもよくわからないものを食べる事が多いので注意が必要です。
4つの対策
1,酸化に強く、揚げ物に強い油を使う
脂肪酸の比率から、酸化や熱に強くその他の健康(カロリーなど)に与える影響を考えると、一般的に使われる油の中では「オリーブオイル・ココナッツオイル」が酸化に強いようです。揚げ物や炒め物には、オリーブオイルを使うのが良いと言われています。
オメガ9系脂肪酸がメインの油でも、オメガ3脂肪酸αリノレン酸の含有の多いものは、酸化による有害物質は発生しやすくなるといえます。キャノーラ油や大豆油、調理油(サラダ油)などは、揚げ物に使うには注意が必要だといわれています。
2、オメガ3脂肪酸など酸化しやすい油の摂り方
酸化しにくい油だけ取っていれば良いかといえば、そういうわけでもありません。オメガ3脂肪酸(亜麻仁油・エゴマ油・青魚 など)の油をはじめ、現代の日本人に不足している油は酸化しやすい油です。
酸化しやすい油は、加熱すると酸化が進んでしまうので、生で摂取したいところですが長期間の保存が難しのが難点でもあります。酸化しにくいように少量を早めに使い切るか、密封型の油を使うことなどや、それらの油を含む食物を新鮮なうちに食べることが大切です。昨今、新鮮な魚を食べる機会が減っているのであれば何か対策を講じておくと良いでしょう。サプリメントや酸化を回避できるようなオメガ3オイルを活用することをおすすめします。
3、油の酸化を防ぐ
油の保存や使い方に少し注意を払いましょう。それだけでだいぶ違ってきます。
1、できるだけ空気に触れさせない
2、遮光ガラスボトルなど、光が当たらないようにする
3、冷暗所に置き、熱を避ける
4、繰り返しの使用を避ける
5、質乳が高いところでの保存は避ける
6、古い油に新しい油を継ぎ足さない
4、体内の酸化を防ぐ
過酸化脂質は腸でブロックされますが、入り込んでしまった過酸化脂質からはどう体を守ると良いでしょうか。
食べ物から摂る抗酸化物質が有効だといわれています。βカロテンなどのカロテノイドやビタミンEが特に有効だと言われています。
カロテノイド
カロテノイドは、紫外線による体内での酸化を抑えてくれたり、過酸化脂質ラジカルによる油の酸化連鎖反応の流れを断ち切る働きを持っています。カロテノイドは、緑黄色野菜やミカンなどに多く含まれています。
ビタミンE
ビタミンEは、ビタミンCと一緒に活性酸素を処理する働きを持っています。
活性酸素を処理した後、ビタミンEはビタミンEラジカルになってしまうのですが、それをビタミンCや酵素が元のビタミンEに戻してくれるようになっているのです。さらに、ラジカル化してきた過酸化脂質がアルデヒドなどに変わる前に、ラジカルでないものにする働きもするので、結果アルデヒドなどの生成も抑えてくれます。
ビタミンEが多く含まれている食材がアンチエイジングに良いと言われるのはこの働きによるところが大きいようです。
油の酸化まとめ
いかがでしたでしょうか。
やはり、油の酸化が進むと有害物質が発生すると考えて良いでしょう。
それが体内に取り込まれると体の調子が崩れる原因になったり、体調が崩れてくるとそこから病気になる原因にもなったりするようです。
油の酸化から身を守る簡単ポイント
1、無理せずできる範囲で良いので、酸化した油は摂らない方がよいでしょう。
2、酸化しにくい油を選んで、酸化・光・熱などに触れないようにする。
3、体内の酸化を防ぐには、カロテノイドやビタミンE・ビタミンCを摂る。
4、酸化しやすい油も上手に摂り入れる。
この4点に気を付けて油を上手に選んだり使えると良いですね。
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