スパイスの王様 シナモン
シナモンは、熱帯に生育するクスノキ科の常緑樹の名前で、その樹皮をはがし乾燥させたものを漢方(漢方では、桂皮と呼ばれます)やスパイスとして使います。
スパイスの王様とも言われています。
お菓子作りでもよく使われていて、甘いものに使うと、より一層甘みを感じます。それ以上でも、アロマオイルとしても良く使われています。
粉末状にしたシナモンパウダーと、樹皮のままで巻いたような形状のシナモンスティックが一般的に流通しています。
シナモンの原産地は、スリランカ、インド、マレーシア、中国南部、ベトナムなど、熱帯各地で広く栽培されています。
シナモンといえば、一般的にはセイロンシナモンのことを指すようですが、カシアと呼ばれるベトナム産の種類もよく使われています。飲むものやスイーツやフルーツに主に使われるのは、セイロンシナモンで、カレーや炒め物などの料理には、セイロンシナモンより香りの強いカシアシナモンがよく使われます。
古くは、紀元前からエジプトでミイラの防腐剤として使われていた事で知られています。日本での歴史は、意外に?古く、正倉院にはシナモンが保存されていて、奈良時代には使われていたと言われています。
シナモンの主な栄養素と成分
シナモンには、カリウム・カルシウム・鉄分・亜鉛などのミネラルが多く含まれています。ビタミンB1ビタミンB2やポリフェノールなども含まれています。ただ、スパイスとしての期待できる栄養素としては、これらの栄養素よりは、それ意外の成分(ファイトケミカルなど)の働きが主になります。
シナモンには、独特の香りの元になっている成分で、ファイトケミカルの1種である、シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)やオイゲノール、ポリフェノールの1種プロアントシアニジンが含まれています。
これらのファイトケミカルやポリフェノールの働きがシナモンの期待される効能に強く影響しているといわれています。
シンナムアルデヒド
毛細血管の保持や修復、血行促進、血糖値の安定、殺菌作用、解熱作用があるとされています。
オイゲノール
強い抗酸化作用があり、傷んだ細胞の修復、免疫力UP、動脈硬化や生活習慣病の予防の働きがあるといわれています。
プロアントシアニジン
赤ワインにも含まれるポリフェノールで、強い抗酸化物質です。インスリンの分泌を活発にする働きがあるとみられています。
シナモンに期待される効果
1、毛細血管の保護や修復・血行促進・冷え性の改善
シナモンは、Tie2という分子を活性化させ、毛細血管を良い状態で保つ作用があります。
そしてそれにより、傷んだり、炎症を起こしたり、もろくなってる毛細血管を、その傷んだ毛細血管の壁細胞に代わって修復する働きもあります。そして、その効果は、シナモン摂取の2〜3時間後に発揮されるといわれています。
シナモンには血管拡張作用があり、毛細血管が強くなること、さらにシナモンの体を温める効果で、血行が良くなるといわれています。
2、血液サラサラ効果
シナモンが、アラキドン酸という炎症促進作用のある脂肪酸の放出を抑える作用があるので、炎症を抑制したり、血液の凝固を抑制するといわれています。
アラキドン酸については、こちらの記事も参考にしてください。
→■オメガ3?オメガ6?オメガ9? あ、オメガ7もある!違いは?
3、美肌効果・抜け毛予防・アンチエイジング
毛細血管が元気で血行も良くなると、血液が行き渡る事により、肌へ栄養が運ばれます。それによって肌のターンオーバーが整い、肌のシミ、シワ、たるみなどの予防につながるといわれています。さらに、頭皮にも同じように働き、抜け毛予防の効果も期待されてます。
プロアントシアニジンの抗酸化作用によって細胞の酸化を抑制し、アンチエイジングにも役立つといわれています。
4、血糖値を下げる効果・ダイエット効果・悪玉コレステロールを減らす効果
シナモンのプロアントシアニジンには、血糖値を下げる効果や悪玉コレステロールを善玉コレステロールに変える効果があるといわれています。
それによる脂肪燃焼効果もあり、ダイエットにも効果が期待できます。
そしてもう1つ、脂肪細胞を縮小化させる作用があるともいわれていて、これもまた、ダイエットに効果的と言われる所以です。
5、抗菌作用、解熱作用による風邪の予防や改善
シンナムアルデヒドには、解熱効果や鎮静の効果、細菌の増加を抑えるとても強い効果があるといわれています。それに加えて、体を温めるという効果もあり、風邪の予防や改善などにも役に立つと言われています。
鎮痛の作用は頭痛にも効果があると言われています。
6、健胃作用・腸の働きを良くする
シナモンには、胃を丈夫にする作用があるといわれ、吐き気の予防や食欲増進に効果が期待できます。
腸の蠕動運動促進や腸内のガスの排出促進など、腸の働きを整える作用もあるとされ、下痢や便秘の予防にも良いといわれています。胃腸の調子が整うことで、肌荒れの防止にもつながります。
腸の働きや腸内環境については、こちらを参考にして下さい。
→■腸内環境を整えるために知りたい、「第2の脳」と呼ばれる腸の7つの働き!!
7、発汗作用
漢方では、体の内側から体を温め、発汗や解熱の効果があるとして使われます。
8、心と体のリラックス効果・記憶力UP
シナモンの香りには、リラックス効果があるとされています。
アロマテラピーでも、香りをかぐことで、シナモンは落ち込んでいて気分を回復させたいときに用います。食べたときと同じように、血行促進や抗菌などにも効果があるとされています。
脳の機能が活発になり、記憶力UPの効果もあるといわれています。
シナモンの注意点・摂取量の目安
適量を摂取している分には問題はないのですが、シナモンには、クマリンといわれる成分が含まれています。この成分を過剰摂取したり、継続的に摂取する場合には肝障害を引き起こす場合があるので、注意が必要です。
セイロンシナモンよりカシアシナモンはクマリンを40倍~100倍以上(産地によっても変わります)含みますので、飲み物やスイーツや蜂蜜などと使うときはセイロンシナモンを使うのが良いでしょう。
→■自然の力ってすごい!! 蜂蜜とシナモン!! その効果15戦!!
シンナムアルデヒドは胎児に悪影響をおよぼすので、妊娠中や可能性がある場合は控えるか、主治医に相談するのが良いでしょう。
もちろん、シナモンにアレルギーを持つ人もいますので、その点には注意しましょう。
シナモンの摂取量の目安
1日の摂取量は、〜3g程度が適量と言われています。もちろん、体格体重体質による個人差はあります。
1日に10gは摂りすぎと考えて良いでしょう。特に継続的に摂取するのであれば、肝障害を引き起こす可能性があります。
シナモンのまとめ
いかがでしたか?スパイスの王様とも呼ばれるシナモン。期待できる効果もまたすごいようです。
効果が強い分、副作用もあるということでしょうか。摂取量には少し気をつけなければいけないようです。
カレーなどの料理や、スイーツ作り、コーヒーなどのちょっとした飲み物にトッピングしたりと、独特の香りで活躍しています。
蜂蜜との組み合わせも、とてもすごい力を持つと期待されていますし、シナモン自体も、スイーツなどのイメージからか、香り付けだけのものと思われがちですが、とてもすごい力を秘めているようです。
蜂蜜とシナモンの期待される相乗効果については、こちらの記事をチェックしてみてください。
→■自然の力ってすごい!!蜂蜜とシナモン!!その効果15選!!
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