スーパーフードという言葉をよく耳にします。
すごい食材、ということはなんとなく分かるのですが、どのようなものなのでしょうか。
食べ物をバランス良くとるのは難しいし、あれもこれも食べると食べ過ぎも気になります。スーパーフードを使って、効率よく栄養を摂れると良いのではないか?とも思いながらまとめてみました。
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スーパーフードの始まりは1980年代頃、アメリカやカナダで食事療法を研究する医師達の間やローフード等の提唱者達によって、「スーパーフード」という言葉が使われだし、スーパーフードという概念が確立されました。
そして近年、オーガニックやナチュラルフード、スローライフブームなどにより世界中に広がり、特に最近では量から質の文化へと変わりつつある事からも注目されています。
スーパーフードの基準や定義はあるの?
定義というより、概念という感じのようですが、提唱者や団体によっても違いがあるようです。少し挙げてみましょう。
○一般的に広がったきっかけの1つと言われている、アメリカの医師スティーブン・プラットによる書籍があるのですが、その書籍の中でスーパーフードは、「健康に良い栄養分を豊富に含みながら、多くは低カロリーな食品」と定義されています。
○1980年代後半〜1990年代前半にかけて、ローフードムーブメントのリーダーとして活躍した、デヴィッド・ウルフの設立したサンフード社のサイトによるスーパーフードの条件は、3つあります。
条件
1、12種以上の栄養成分を含む食品であること
2、一般的に摂取する野菜や果物より栄養価が高い食物であること
3、体に必要な栄養素のみ含んでいること
と、この3つを挙げています。
現在でも、アーティストやミュージシャンをはじめとするセレブ達や世界中にいるデヴィッド・ウルフのファン達がスーパーフードムーブメントを牽引しています。スーパーフードの中心的で大きな1つの基準になっているようです。
○日本の団体、一般社団法人日本スーパーフード協会の示すスーパーフードの定義と基準は次の通りです。
定義
1、栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある1部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
2、一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
基準
1、スーパーフードの発祥の地アメリカで、一般的に「スーパーフード」として認知・評価されている食品であること。
2、「食歴」が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安を持って食することがなく信頼がおけるもの。
とあります。
アメリカやカナダで始まったスーパーフードの概念がベースにあることは間違いなく。その中で、日本なりの繊細さでその概念を表現しています。
その根底にある概念についても、日本スーパーフード協会はこう記しています。
スーパーフードが愛される理由
1、自然のパワー
2、神秘のヒストリー
3、生産者支援
4、フェアトレード(発展途上国等の生産者のサポートなど)
5、自然保護、環境保護
6、アグロフォレストリー(森林保護と作物栽培の両立を図る)
7、etc…
栄養価が高いだけではなく、機能性だけの健康食品ではなく。自然の持つパワーの恩恵と、神話や神秘の歴史の存在やその物語性。そして、スーパーフードを通じて、自然保護や環境保護、生産者支援などのフェアトレード、そういう社会問題への取り組みやポリシーがあることが特徴です。
これらの概念が根底にあることが、スーパーフードの魅力をいっそう高いものにして、多くのミュージシャンやアーティストやセレブ達に支持され、世界中にいる多くのファン愛される理由のようです。
スーパーフード10選!!
スーパーフードは結構たくさんあります。その中でも、日本スーパーフード協会が特に重要だと考えて優先的に国内で推奨しているスーパーフード、[プライマリースーパーフード10]と、日本でなじみの食材のスーパーフードをご紹介します。
プライマリースーパーフード10
1、スピルリナ
水中で育つ藻の一種、30億年も前から在る地球最古の植物といわれています。タンパク質が豊富で、8種類の必須アミノ酸を持ち、ビタミン、ミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸など、50種類以上の栄養成分が含まれています。
2、マカ
アルギニンや亜鉛といった成分が含まれていて、男性向け精力剤によく用いられる同じみな素材です。女性にも嬉しい成分が多く、鉄分やカルシウムなどを含み、ホルモンバランスを整え、冷え性や生理不順、更年期障や不妊改善にも効果的といわれています。
マカは南米ペルー原産の植物で、2000年も前から栽培されていて、インカの人々は栄養源として重宝していました。
3、クコの実(ゴジベリー)
抗酸化作用が強く、老化防止に効果があるとされています。中国やチベットで、昔から薬膳として用いられてきた歴史があります。19種類のアミノ酸と8種類の必須アミノ酸、ミネラル、ビタミンを含まれています。
4、カカオ
言わずと知れたチョコレートの原料です。チョコレートは昔から魅惑的な存在です。恋に落ちる時に分泌される、ハッピーホルモン(フェニルエチルアミン)を含んでいます。そんなカカオには、抗酸化が非常に強く、老化や病気予防に効果があると言われるカカオポリフェノールが含まれます。気分を高める、トリプトファンという栄養素も含まれます。
ただし、加熱処理や砂糖によって効果が減少してしまいます。チョコレートで食べるなら、砂糖が少なく、高濃度カカオのチョコレートが良いようです。
5、チアシード
スーパーフードと言うと、真っ先にイメージするくらいメジャーになりました。チアというミントの一種である植物の種です。一番の特徴は、水分を含と10倍以上に膨張することです。満腹感が得やすいということで、ダイエットフードとして注目されています。膨張したときの周りのぬるっとした膜はこんにゃくにも含まれるグルコマンナンという食物繊維です。食物繊維やミネラル、必須アミノ酸8種類や、オメガ3脂肪酸など含まれています。
紀元前3500年には、マヤ族やアステカ族の人々に疲労用途で使われていたというとても歴史の長いものです。
6、ココナッツ
ココナッツオイルでお馴染みです。中鎖脂肪酸、ラウリン酸が主な特徴で、中鎖脂肪酸の早いエネルギー代謝などによるダイエット効果やラウリン酸による抗ウイルスなどがよく語られます。
ココナッツウォーターはカリウムを多く含み、天然のスポーツ飲料と呼ばれて親しまれています。ココヤシの木は「生命の木」と呼ばれてもいます。
→■「ココナッツオイルがすごい!7つの効能」
7、アサイー
ブラジルでは伝統的な食べ物で、アマゾンの原住民が生き抜くために食してきました。紫色で、抗酸化作用のあるアントシアニンが豊富、ブルーベリーの約18倍といわれています。見た目は、ブルーベリーに似ていますが、ヤシ科の植物です。鉄分は、レバーの約3倍とされています。
学名のEuterpe oleraceaはギリシャ神話の女神の名に由来されていると言われています。
8、カムカム
ビタミンCを世界一多く含む植物(地球上で認知されている植物の中で)として有名です。果汁100gあたり約3000mgも含まれていて、レモンの約60倍、アセロラの約2倍になります。ペルーのアマゾン川流域に生育しています。3年もの月日をかけて収穫する、希少価値の高い植物です。
エラグ酸というポリフェノールは、メラニン色素(シミやそばかすの原因)の生成を抑える働きやチロシンの働きを抑える働きがあるので、美白効果もあると言われています。
9、ブロッコリースーパースプラウト
ブロッコリーの新芽のことです。スルフォラファンというファイトケミカル(植物に含まれる化学物質)が注目の栄養素になります。肝臓の解毒力を強めてくれる効果があります。スルフォラファンは「デトックスの王様」とも呼ばれています。
発芽から3日目は、スルフォラファンが普通のブロッコリーの約20倍になるといわれています。
10、麻の実(ヘンプ)
日本では昔から、雑穀の1つとして食べられてきました。麻の実に含まれるたんぱく質は、エディスチンとアルビミンで構成されていて、どちらもアレルギーになりにくいと言われている良質のたんぱく質です。鉄や亜鉛やマグネシウムなどのミネラル、不溶性食物繊維やビタミンなども含みます。
麻は、生命力がとても強く農薬いらずで3ヶ月で育ち、同時に土壌を回復させてくれます。麻の実は、良質の植物性プロテイン(たんぱく質)と言えます。
*麻薬とされている大麻とは成分の違う種類のものです。
日本のスーパーフード(日本スーパーフード協会が世界に推奨している)
1、納豆
上質なたんぱく質、食物繊維が豊富。納豆菌(プロバイオティクス)は腸内環境を整えてくれる善玉菌の1つです。ジピコリン酸は、抗菌作用があります。血栓を溶かす酵素も含まれています。
日本では、平安時代には存在していたと言われています。戦国時代には、武将たちのタンパク源スタミナ源とされていました。納豆は、冬の季語でもあり、「納豆時に医者要らず」という諺もあります。
2、味噌
大豆などを発酵させているので、大豆のたんぱく質を吸収しやすくなっています。発酵によってつくられる脂肪酸エチル類が、ガンを引き起こす変異源の力を抑制すると言われていて、味噌の熟成度が高いほど効果が高いと言われています。放射能から、体を守る働きがあるという動物実験結果も報告されています。世界的にも、長寿食として研究が進められ注目されています。
日本での歴史は古く、縄文時代後期から弥生時代からと言われています。徒然草に、北条時頼と北条宣時が台所に残っていた味噌だけを肴として酒を酌み交わしたという逸話も残ってます。
3、甘酒
「飲む点滴」と呼ばれるくらい、ビタミン、葉酸、食物繊維、オリゴ糖、アミノ酸、ブドウ糖が栄養剤としての点滴と栄養成分が似ています。日本書紀に甘酒の起源とされるものの記述があるようです。夏の季語にもなっていて、「夏の栄養ドリンク」いして、江戸時代の夏には欠かせないものだったようです。
4、緑茶
緑茶に含まれるポリフェノールの1つ「カテキン」は、殺菌作用や口臭予防、血圧上昇抑制作用や血糖値調整作用、抗酸化作用や抗ガンなどに効果があるとされています。高濃度のカテキンを摂りすぎは良くないとの見解もあるようです。日本の女性がいつまでも若々しいのは、日常的に緑茶を飲んでいるからだととも言われ、コーヒーの代わりに緑茶を飲むという人も海外では増えているようです。カフェインやタンニンが含まれていますので摂取量には注意が必要です。
それ以外の聞いたことあるスーパーフード
マキベリー
アロエベラ
クロレラ
ドラゴンフルーツ
ターメリック
生はちみつ
ソバ
ザクロ
フラックスシード
グリーンコーヒー
トマト
生姜
酵素玄米
亜麻仁
インカインチ油
ミドリムシ(ユーグレナ)
タイガーナッツ
チャーガ茶
ウィートグラス
ブラッククミンシード
メイプルウォーター(カエデの樹液)
以外とよく耳にする身近なものを挙げました。
スーパーフードまとめ
こんなにいっぱいあるの?と思うぐらいありますが、世界からの選りすぐりです。どれも、とても魅力的なものばかりです。そしてどれもが原始的な自然の力や強さを感じるものばかりです。
なかなか手に入れにくいものも多いのですが、身近なものもたくさんありますので、食する時には、その力を摂り入れるということを意識して食べると、よりいっそうのパワーになるのではないでしょうか。
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