ストレス社会といわれている現代社会、「ストレスに打ち勝つ」とか「ストレスフリーな生活を目指す」などといいますが、少し間違っているかもしれません。
なぜなら、ストレスは、なくならないからです。そして、ストレスはなくてはならないものでもあります。ストレスをなくす、のではなくどういうストレスをどう対処していくか、簡単に表現すると、どう受け流すのか、ということが大切です。
ストレスに強い人
ストレスに強い人というのは、ストレスに打ち勝っている人ではなく、ストレスを上手に受け流すことで、自分にとって丁度良いストレスへと変換したりコントロールしたりできる人のことだといわれています。
ある程度のストレスがなければ、スポーツも音楽も絵も何も生まれないかもしれませんし、車の運転もできないでしょう、自然界でいえば食べ物にありつけることは少なくなるでしょうから、よほどの要領の良い個体でないと生き残れないでしょう。
若返りホルモンといわれているものも、新しいことを始める時に感じるストレスによって積極的に分泌されるともいわれています。適度なストレスは生きる上で、そして活き活きと生活する上でも、必要なものと言えます。
もちろん、非日常すぎるストレスなどは対処のしようもないかもしれませんが、現代社会のある程度の枠の中でのストレスは、自分にとって丁度良いストレス程度にコントロールできるようになりましょう。
ストレスは大きく分けて2種類
ストレスには、身体的ストレスと精神的ストレスの2種類に分けられるといわれています。
体的ストレス
「痛い・かゆい」とか「暑い・寒い」というような体で感じるもの。歯が痛い時や、殴られたり叩かれた時、蚊に刺されて痒い時など、想像しただけでもストレスがかかるのが分かると思います。
精神的ストレス
「悲しい・イラつく」とか「つらい」などのように心(心も実際は脳によるものなので体の一部でもありますが)で感じるもの。その心の感じるストレスの正体は、脳が神経伝達物質を通して感じるストレスです。
この精神的ストレスが今回の主役です。そして、怪我のように外からは見えないことが多いので、なかなか分かりにくく理解もされにくい難しいものです。
2大心のストレス
精神的なストレスは、人間以外の動物にもあることが確認されていますが、人間だからこその精神的ストレスがあるといわれています。人間の2大ストレスと言われているストレスはそれに当たるようです。
1、依存性
楽しいことや、快いことが得られなくなったことによるストレスです。
例えば、パチンコで玉が出ていることは快いですが、玉は出なくなる時がきます。儲かったら快いですが、それが得られないとき、要するに儲からなかったときにはストレスを受けやすい。という事です。大好きな人とのデートが、ドタキャンされた時や、振られてしまった時なども同じようにストレスを受けやすいでしょう。
この、失った快さを求める気持ちが強くなり過ぎると、「依存症」になってしまいます。
2、逆恨み
少し言い換えると、自分が誰かの為などに思ってやっていた行動などが、正当に評価されないと感じる事によって生じるストレスです。なかなか厄介で、自分1人で解決するのが難しいストレスといわれています。
例えば、「ありがとう」と言われなかったとき。必死に努力したのに、営業成績が上がらない時。プレゼントした物が喜ばれなかった時など、相手の価値観などが関係していて、どちらが悪いわけではない場合が多いものです。
どちらも、思いやりや気遣い屋さん、頑張り屋さんや向上心の強い人で、人の役に立ちたい思いが強い人には多いシチュエーションですね。だからこそ、ストレスに強くなって、穏やかな気持ちになる必要がありますね。
心のストレスをコントロールするための2つの機能
1、ストレスを受け流す機能
セロトニン神経を活性化させる
セロトニンの量が増えるところで、鬱病などの精神的な病気になりにくいかったり、体への物理的な痛みにも強くなるとされています。
セロトニン神経は、一定のリズムを刻む運動(リズム運動)によって、活性化するという特徴をもっている神経とされています。腹式呼吸などもこのリズム運動の1つといわれています。
2、溜まったストレスを解消する機能
涙をながす
嬉しい、悲しい、感動、そして同情したとき、人は、きっとあなたも涙を流します。体への痛みでも、涙がでます。
この涙が、脳のストレスを一気に洗い流してくれるといわれています。数分泣く事で、約1週間分のストレスを洗い流してくれるともいわれています。これは、生物学的には人間にしかできないとても凄い事だとされている事です。この涙は、「情動の涙」と呼ばれています。
泣いたらスッキリ!使わない手はありませんね。泣いた数だけ強くなれる、というのも頷けます。ぜひ、あなたにとっての鉄板の泣けるドラマや映画などを観ましょう。そして、がまんせずに涙を流しましょう。無理に、涙を止めずに泣きましょう。
この2つの機能を持つのは、本能的なところというより、最も人間らしい脳とされている前頭前野の内側で、「共感脳」と言われている場所です。人間らしい生活や行動こそが、人間特有のストレスに強くなるという事のようです。
ストレスに強くなるための2つの機能まとめ
セロトニンの分泌を促す、そして涙を流す。ちょっと意識してやってみましょう。
人間特有のストレスには、人間特有の脳の部位がそのストレスをコントロールする為の機能を担っています。卵が先かニワトリが先か、みたいな話しですが、利用しない手はありませんね。
セロトニンが増える事と、涙を流す事。どちらも、共感する事や共感してもらう事がポイントのようです。人間らしさが、ストレス解消に繋がるというのは、なんとも因果ですが、とても人間的な感じがしますね。
心の問題や精神的な問題は、簡単なものではありませんが、少しでもストレスなどから自分を守る参考になると幸いです。
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参考文献
「脳からストレスを消す技術」著 有田秀穂 サンマーク出版