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『サタデイ アット ザ ビレッジバンガード』& ビル・エヴァンス & 眼鏡

bill evans sunday

ピアニストBill Evans(William John Evans/ウィリアム・ジョン・エヴァンス)のSunday at the Village Vanguard Featuring Scott La Faroという作品についての情報と、Bill Evans の生い立ちやキャリア、人となりや眼鏡について書いています。

個人的この作品は、ボ~っとしている時とか夜寝る前とかに聴くことが多いです。冬に、暖房の効いた(できれば暖炉が良い)部屋で、ぽかぽかしながら聴きたいですね。
この作品の自分なりの感想を挙げると、
・良い意味で感情をかき立てない
・静かすぎない
・ピアノが柔らかい
・ドラムとベースのリズムの動きがかっこいいけど柔らか
・音もバランスが心地良い
・自己主張している感があまり感じないからか、人間関係の疲れに効く感じがする
といった感じです。

では、一般的にいわれている情報をまとめていきます。

Sunday at the Village Vanguard Featuring Scott La Faro

bill evans sunday v
01. Gloria’s Step
02. My Man’s Gone Now
03. Solar
04. Alice in Wonderland
05. All of You
06. Jade Visions

Bill Evans (p)
Scott LaFaro (b)
Paul Motian (ds)
1961年6月25日ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードにてライヴ録音

この演奏の11日後、ラファロは1961年7月6日に25歳の若さで交通事故死してしまいます・・・。

ビル・エヴァンスの作品で最も有名といえる名盤『Waltz For Debby』と対を成すもので、同日に録音されたものから作られていて、エヴァンスとプロデューサーのオリン・キープニュースがラファロへの追悼の意を込めた(たぶん)追悼盤です。ラファロ自身が書いた2つのトラック(「グロリアのステップ」と「ジェイド・ビジョン」)や、他の曲ではラファロのソロがフィーチャーされています。

『Sunday at the Village Vanguard』は、いくつか再発されているのですが、7曲目からボーナストラックが収録されているものから、ボーナストラックが元の6曲に混ざっているものや、音の編集の仕方など、違いが色々あります。

ラファロのベースを聴き比べるなど楽しみ方は様々ですが、この作品のラファロに対する思いから作られたものとしたら、そのオリジナルとの違いに対しては賛否があったりもしています。もし、購入するのであれば、その違いも踏まえて選ぶのも良いかもしれませんね。

The Complete Live At The Village Vanguard 1961 (3枚組コンプリート版)

ちなみに、この日のライヴを全曲収録した3枚組コンプリート盤も出てます。
The Complete Live At The Village Vanguard 1961 / Bill Evans
(Riverside / Victor [J] VICJ-60951/3)

録音されたオリジナルマスターテープそのまんま、一切の編集なしのものらしいです。演奏間のフェードアウトはなく、演奏間のメンバーの会話などや観客からの音などもそのまま収録されています。電源トラブルの為に途中で演奏が数秒切れてしまっている “Gloria’s Step (take 1)”があったり、ここでは、ほぼそのまま収録されていて、臨場感を堪能できるはずです。過去の再発 LP や CD と比べて、音質も良いといわれることも多いようです(人それぞれですが)。

個人的には、この3枚組の作品が好きです。空気感を感じれて、とても無作為な感じがして、よりリラックスして演奏を堪能できます。


この日のライブによる作品は、大きく分けて3つあるといえると思います。一つが名盤といわれる『Waltz For Debby』、もう一つが当時のプロデューサが考え抜いて決定された曲順でラファロをフーチャーして記録されている『Sunday at the Village Vanguard』。そしてもう一つが、録音したテープそのままを音源化してしまうことによって、1961年 6月25日の Village Vanguard のライブを疑似体験しやすい 3枚組 CD ボックス『The Complete Live At The Village Vanguard 1961』、の3つです。

同じ日のライブ録音ですが、切り取り方やその意味合いによって違うものが出来上がっています。それを無意味とかビジネスと考える事も出来ますが、自分にとっては単純にワクワクして思い入れの生まれる作品になっています。(あんまりやりすぎると、一つの作品としてはボヤけてしまいますが)。



Bill Evansの生い立ちやキャリア

bill evans 3
ビル・エヴァンス(1929-1980)。アメリカのピアニスト。1950年代から70年代にかけて活躍し、ジャズの歴史上とても重要なプレイヤーとされています。

1929年、アメリカ東岸にあるニュージャージー州で生まれました。5歳でピアノ、7歳でバイオリンやフルートのレッスンを受け始めたといわれています。10代になるとジャズに興味を持ち、13歳ではプロのバンドにも参加しだしたそうです。そして、ダンス会場や結婚式のバンドで、演奏経験を積んでいきます。
高校を卒業して、サウスイースタン・ルイジアナ大学とマンヌ音楽学校で、作曲とクラシックピアノを学びまながら、ジャズバンドも結成しました。1955年にニューヨークへ移り住み、本格的にジャズ・ミュージシャンとしての活動を開始していきます。

50年代当時のジャズ・ミュージシャンは、ほとんどがアフリカ系アメリカ人でした。そういったコミュニティーだったjazzの世界では、人種的に圧倒的な少数派であったであろうエヴァンス(父はウェールズ系、母はスラブ系アメリカ人)は、想像する事しかできませんが、ある種の疎外感を抱いていたとも言われています。

1958年、彼が29歳のときマイルス・デイビス・セクステット(6人編成のバンド)のメンバーに抜擢され、jazzピアニストとしての大きな転機を迎える事になります。その翌年の1959年(録音:1959 3/2・4/22、発売:1959 8/17)マイルス・デイビスのアルバム『カインド・オブ・ブルー』はとても好評で、ピアニストとして参加したビル・エヴァンスの名声も高める事になりました。

マイルス・デイビスのバンドを脱退した後、自分がバンドリーダーとなってピアノトリオを結成しました。Piano:ビル・エヴァンス、Bass:スコット・ラファロ、Drums:ポール・モチアンの構成です。

そして、『ポートレイト・イン・ジャズ』(1960年)や、『ワルツ・フォー・デビイ』(1961年)といったアルバムを制作。このメンバーによる最初のアルバムが『ポートレート・イン・ジャズ』になります。
注:本来「ピアノトリオ」とは、室内管弦楽における「ピアノ三重奏」のことを示し、通常はピアノとバイオリンとチェロで構成されます。

Bill Evansの特徴

ビル・エヴァンスのピアノは、「叙情的」や「耽美的」と評されることが多く、個人的にもそれと似た感覚です。

クラシック音楽の素養を持った彼ならではの個性もあるでしょうし、写真から受ける人としての印象も影響しているかもしれません。なでつけた髪・セルの眼鏡・表情・下向き加減な演奏の姿・タバコなどは一層そのイメージを強くしています。

「インタープレイ(Interplay)」の在り方も、ビル・エヴァンスの特徴や魅力の一つだと思います。インタープレイとは、演奏者同士の “かけ合い” の事を指します。バンドリーダー(=エヴァンスのピアノ)を主体にして技巧を追求するという形というより、ピアノ、ベース、ドラムの三者がほぼ対等にお互いの演奏に即時に反応しながら、テクニックよりも精神的に対話的に演奏を繰り広げている感じです。

余談ですが、個人的には、ロックバンドであっても、こういったスタイルが好きです。Jazz自体が対話的な要素を多く持っていますが、そういった形式的な対話とは別に、プレイヤー間でのその対話のバランスがより対等な方が好きです(もちろんリーダーという存在は必要ですが)。音楽に限らず、そういったグループや人の集まりが好きです。


ビル・エヴァンスの活動期間はおおよそ30年ほどですが、その間の演奏スタイルが大きく変わる事がありません。

70年代に入ると、多くのジャズミュージシャンが、“フュージョン”(ロックやソウルを融合させたスタイル)的なアプローチを取り入れますが、ビル・エヴァンスは1970年以降の作品(『フロム・レフト・トゥ・ライト』など)の作品でエレクトリック・ピアノを使用しているといったことぐらいで、演奏スタイルは伝統的かつアコースティックなジャズ演奏を通しています。かといって、新しい試みをしようとしなかったという事ではないと思います。

『フロム・レフト・トゥ・ライト』は、異色作といわれますが、気に入っています。
bill evans electoric

彼のオリジナルアルバムは1956年から1980年の間におよそ80作あり、前出のトリオ編成や、デュオ(二人編成)、ソロ(独奏)など、色々なスタイルのものがあります。
例えば、ピアノトリオの
『ポートレイト・イン・ジャズ』(1960年)『ワルツ・フォー・デビイ』(1961年)『エクスプロレイションズ』(1961年)、『サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』(1961年)
ソロ演奏を収めた『アローン』(68年)
ギタリストとのデュオ『アンダーカレント』(62年)
5人編成で録音された『インタープレイ』(63年)
エレクトリックピアノやエレベやストリングスの入った『フロム・レフト・トゥ・ライト』(71年)などがあります。
繰り返しになるけど、個人的に『From Left To Right』は違和感も含めてお気に入りです。



ビル・エヴァンスの最期

ビル・エヴァンスが亡くなったのは1980年9月15日。ライブハウス「ファッツ・チューズデイ」9月11日、ついに演奏を続行できない状態になります。そして亡くなりました。52歳の誕生日を迎える1か月前でした。

死因は消化性潰瘍と気管支肺炎、肝硬変、肝炎などの併発とされています。肝臓疾患は長年の持病だったようです。長年の薬物による健康障害や生きる気力といったものが影響していたのはあったのだろうと想像ができます。

60年代末までの十数年間はドラッグから逃れることができず、借金を返さなければ指をへし折ると売人に脅されて休む暇もなくステージに立、やりたくない仕事もこなし、その間もドラッグに浸かりきっていたと言われています。ヘロイン注射によって右手が麻痺してしまって、左手だけで演奏したこともあったというエピソードもあります。

1978年頃には顕著に周りにもはっきり分るような健康障害があり、その後の兄のハリーの自殺もあった。そして、1980年の9月11日に演奏を続けることができなくなり、ステージを降りることになりました。

そして、ビル・エヴァンスの死去から40年以上経った現在でも、続々と未発表音源が正規リリースされています。


個人的見解を少し書きますが、悪いドラッグと良い音楽は関係ないと思います(何を悪いドラッグとするか、どう使うと悪いドラッグになるのかという事な別の問題がありますが)。あくまで、その人や社会問題によるものです。

ドラッグがないと発想が生まれないとか、突き抜けれないというのは違うと思います。箍が外れたり、インプットアウトプットが増幅されるのはあるでしょうが、それによって素晴しい音楽や芸術が生まれる理由では絶対にないと思います。なので、そういった憧れでドラッグに興味を持つ若い人達が出ないことを願います。

もともと、固定観念に捕らわれなかったり疑問に感じているなら後は行動と経験によって蓋は開くはずだと思います。一般的な道を外れられないから強制的に道から外れる道具にしているか、お金のために食い物にされている場合が多いと感じています。そんなにかっこ良いものでもないしおしゃれなものでも無いので、そういった意味で手を出して欲しくないものです。

ビル・エヴァンスの人となり

「彼の音楽は知っていたけど個人的に面識はなかった。彼は社交的ではなくて、トリオに居たときもつるんだりはしていなかった。でも彼の音楽は好きだったし、一緒に演奏できたことを誇りに思っているよ」
これは、『アナザー・タイム:ザ・ヒルフェルスム・コンサート』に参加していたドラマーのジャック・ディジョネットのインタビューで、それからも少し彼の人間性がうかがえます。

エヴァンスと付き合いの深かった音楽評論家 ジーン・リーズは「彼の人生はまるで “ゆっくりと時間をかけた自殺” だった」といった旨の言葉を残しています。


ビル・エヴァンスの人生を描いたドキュメンタリー映画

bill evans movie
『BILL EVANCE TIME REMEMBERED』(2015年に制作)監督はブルース・シュピーゲル。DVD化されています。彼のことを知るには、良い材料になると思います。

ビル・エヴァンスの映像や音声、ポール・モチアン(2011年に逝去)、ジャック・ディジョネット、ジョン・ヘンドリックス、トニー・ベネットなど、同時代に活躍した多くのジャズマンたちがエヴァンスについて語っています。ジム・ホール(2013年に逝去)や、ボブ・ブルックマイヤー(2011年に逝去)、ビリー・テイラー(2010年に逝去)など、完成前に亡くなった出演者も多く、彼らの晩年を捉えた記録映像としても貴重な内容になっています。



ビル・エヴァンスのメガネ

bill evans glass
ビル・エヴァンスの眼鏡は彼のトレードマークになっているといえるかもしれません。ちょっとその眼鏡についても取り上げたいと思います。

米国のブランド TART OPTICAL(以下、タート社)の「アーネル」というモデルではないか? と言われていたり、アメリカン・オプティカル社のものとも言われています。

ちなみに、タート社のアーネルはジェームズ・ディーンに愛用されたことでその名を歴史に残し、同社の別モデル「ブライアン」はウディ・アレンの知的なイメージを決定づけた眼鏡として知られています。
現在ではトラッドなデザインの代表であるウェリントン型のセルフレームですが、当時は“斬新なもの”として受け入れられていたようです。

ちなみに、上の画像は自分の所持している眼鏡で(近眼です)、手前がBJ CLASSICのもので奥のがMOSCOTのものです。BJ CLASSICの方の眼鏡は、その商品名は「JAZZ」というもので、その原型の設計図を素に丁寧に職人の手で復刻されたものらしいです。自分としてもお気に入りで、色違いを揃えたい衝動を頑張って抑えているところです。

最近コンタクトレンズがしんどくなってきたので眼鏡をかけることが増えて、欲しかったデザインの眼鏡がビンテージではなくてもテに入るようになって(しかも品質も高いものが多い)、フレーム色違いとかレンズ色違いとかにまで欲が出てきている始末ですw。お金にゆとりがあれば、眼鏡と靴にはそのお金をまわしたいでところです。

ビル・エヴァンスについてのまとめ

bill evans last
作品としては、このコンテンツの題名にある『Sunday at the Village Vanguard』と『The Complete Live At The Village Vanguard 1961』、エヴァンスの作品としては無視されがちな『From Left To Right』の3つをフューチャーしました。アイテムとしては眼鏡や映画もご紹介しました。

セルフレームの眼鏡を2つも持っているのですが、イメージとしてはエヴァンスがそのイメージにあって選びました。他には丸眼鏡、丸眼鏡ときたら真っ先に思い浮かぶのはジョン・レノンだし、ウェリントンタイプのブローラインはモンクやロリンズを初め多くのミュージシャンが使っていて好きな眼鏡です。そういったアイテムって、なかなか似合わないように感じて、似合うような人間になろうと色々とチャレンジしてきたな~とか思います。


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Kazuya

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こんにちは。ブログやプロフィールで自分なりの考えを綴っているので、そんな人間が書いてるのを踏まえて読んでやって下さい。
ちなみに、プロフィール写真の我が子は現在高校生になっています。

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