最近、注目を浴びつつあるアナログレコード。
実は手放さずに眠らせている人結構いるんじゃないでしょうか。逆に、アナログレコードなんて過去の産物で触ったこともなかったけど、最近になってその魅力に気が付いてしまったなんて人もいるでしょうし。若い頃に少し集めていたり、DJに憧れて買いあさっていたり、ジャケ買い(ジャケットがカッコイイ!というだけの理由などで買うこと)していた人も多いことでしょう。
やっぱりアナログレコード良いよな〜、と感激しつつ・・・久しぶりにレコードを扱ってみると、やっぱり扱いにくい。その面倒くささが魅力の1つではあるんだけど、便利な世の中に慣れてしまっていればいる程扱いにくく感じるのではないでしょうか。
ジャケットから取り出さなきゃだめだし、傷がつきやすいし、指紋付くし、A面終わると針上げなきゃいけないし(機械にもよります)、カビ生えちゃうこともあるし・・・。
そこで、その面倒くささをちゃんと楽しむためにアナログレコード盤の扱い方やお手入れの豆知識をご紹介していきます。
1、置いておく場所
暑いところはよくありません
直射日光が当たる場所は避けましょう。熱でグニャグニャになってしまったり、変形してしまうことがあります。せっかくのジャケットが色あせてしまったり日焼けしてしまう原因になります。アナログレコードを「ヴァイナル」とも呼びますが、これはビニールのことで、アナログレコードはポリ塩化ビニールで出来ているので熱に弱いのです。
レコード版をビニールの内袋(インナースリーブ)に入れてからジュアケットの中にしまってある場合、ビニールの質にもよりますが、レコードにくっついたり、ビニールの跡(ビニ焼けと呼ばれます)をつけたりします。
湿気が多い場所はよくありません
レコードジャケットは紙でできていることがほとんどです。そして、物を大事にする日本人はそのジャケットをビニールのカバーに入れていたりします。日本は多湿地域ですので、湿気が溜まる場所にレコードを置いておくとジャケットやレコード盤にカビが生えます。
立てておくのがベター
レコード盤は、積み上げたり斜めによしかけたりしておくのは避けましょう。反ったりレコード盤を傷める原因になります。
その辺に何気なく置いてあったりすると雰囲気があってかっこ良く感じますが(個人差あります)、お茶をこぼしたりコーヒー引っ掛けたり、踏んづけたりします。その時は結構な残念感が心を襲います(個人差あります)。できるだけ、本棚のような感じでレコードを立てて棚に入れてしまっておくのがベターです。
2、レコード盤のクリーニングの方法
出典:disk union
市販されているレコードクリーナーは、湿式と乾式のものがあります。アーム式やローラー式などの形のものもあります。
クリーナーなど使わずに、水洗いしちゃうなんて方法もあります。水や中性洗剤とベルベットクリーナーやガーゼなどを使って洗います。その場合、あまり問題はないのですがレーベル面(ラベル)が濡れないようにしたいところです。
ホコリやチリなどは先にある程度とってからの方が良いと言われていますが、精製水と多めにたらして拭き取ってしまっても良いでしょう。普段のクリーニングは精製水で充分とも言えます。
拭く方向
クリーナーなどで拭く(撫でる)にも、お約束があります。それは拭く方向です。適当にゴシゴシとこすってはいけません。
レコード盤の溝に沿って、時計の反対周りに円を描くように拭きます。CDを拭くときは、中心から外に拭くのがお約束ですが、それとは違うので注意して下さい。
汚れが全て綺麗に取れるとは限りませんが、何度か繰り返すと綺麗になってきます。パチパチチリチリノイズや、歪みっぽさが消えたりしてスッキリします。
ホコリは、冬などの乾燥しているところで起きる帯電によって付きやすくなります。レコード盤はビニールでできていることがほとんどですので帯電しやすいのです。パチパチチリチリするノイズは、この帯電による静電気が原因でもあります。精製水などでさらっと拭き取ることで角の乾燥から守ることにもなります。
オススメのクリーナー製品3選
精製水や中性洗剤(食器洗い用 等)で結構綺麗になるものですが、やはり専門的なアイテムも音響系のブランドからも販売されています。その中から、3つご紹介しておきます。安価なものであれば、中性洗剤でまかなえそうな気がしてしまっているので、専門的なアイテムであればそれなりのお値段のもので評判も良い方のものをピックアップしました。
1、オーディオテクニカの「AT6012」
方向性のベルベットが付いていて、ホコリ取りもサクッと一周させるだけで綺麗に取れます。湿式にもできて、静電気を抑えるクリーニング液も付いています。使いやすいです。
2、ディスクユニオンの「レコクリン」
湿式で、液体をレコード盤に数滴垂らして拭き取っていくタイプです。レコード盤面の汚れ取り・除菌・静電気防止・消臭効果があるとされています。レコクリン専用のクロス「レコクロス50」を一緒に使います。
洗浄能力が高いですが、化学物質ではなく電解水の力を利用したものなのでレコード盤自体への化学反応がなく、本来の音を変化させず手肌にも優しく人体に安全です。クリーニングの行程としては簡単な方です。
1,600円ほどで、レコクロスが650円くらいです。セットもあるので、下にはセットの方を貼り付けておきますね。
3、レイカの「バランスウォッシャー」
湿式で、ノイズが消えて音が良くなると評判のものです。汚れ取り用のA液と仕上げ用のB液とあるので、ちょっと手間がかかる方です。カビなどもほとんど綺麗に取れます。
バランスウォッシャーで処理しておくと、長期保管にも良いともいわれていて、アナログレコードの汚れを落とすこととその後の状態の維持なども含めて評判の良いものです。
ただ、お値段は専用クロスとA液B液のセットで5,000円ぐらいと少し高いです。
3、扱い方
汚れた指で盤面を持つと、指紋や汚れ・油脂が付着してカビやホコリの体積の原因になります。できるだけレコード盤の端っこを持つようにしましょう。でも、あんまり神経質になると楽しくありません。
ただ、ポテトチップスなどを食べた指などで、レコード盤をベタベタにするのはやめましょう。クリーナーで、綺麗になる程度で普段は取り扱うことをおすすめします。
インナースリーブ(内袋)
”置いておく場所”のところに出てきた、インナースリーブ(内袋)についてです。インナースリーブは大きく分けて、透明のビニール・紙・紙の中にビニール付き、などがあります。
ビニール
ビニールは静電気やカビの原因になります。帯電防止タイプもありますが、どちらにしても通気性がなのでカビは発生しやすくなります。そしてビニ焼けの原因になります。
紙
静電気や通気性の面ではビニールよりは保存性や扱いやすさは良いです。欠点とすると、レコード盤に傷が付きやすいという点です。そして、その傷つき防止のために、内部が光沢があってツルツルしているタイプの物があります。LPの厚みや端の処理によってはサイズがきついものがあって、中から取り出しにくいものもあったりします。
グラシン紙
紙ですが、上記のクラフト紙のようなものとは違いがあって(半透明な写し紙みたいな質感)、静電気にも強く吸湿性がありカビにも強いものです。欠点とすると価格が高いということです。2重構造タイプ、25枚セットで10,000円(約400円/1枚)くらいで、グラシン紙のみタイプで100枚セットで6,300円(約63/1枚)くらいになります。
グラシン紙は薄いので、LPをインナースリーブに入れるのは紙のしっかりしたやつの方が入れやすいです。でも、ジャケットの中にはグラシン紙の方が入れやすいです。インナースリーブ入れたままでの出し入れは、少しグラシン紙のインナースリーブをジャケットから出してやると特にやりにくくはないと思います。
グラシン紙にするとこんな感じになります ↓
LPの袋
LP用のアナログレコードのジャケットを入れるビニールの袋も意外と気になります。質感とか厚みとかスカート(端っこの部分)があったりなかったりして、立てて飾る場合に微妙に違いがあります。ここでは、個人的なおすすめ品を1つご紹介しておきます。
アナログレコード盤扱い方のまとめ
アナログレコード盤は、CDなどよりも耐用年数があると言われています。メンテナンスさえしっかりしていれば、時を超えて生き生きとした音を届けてくれます。
あまり神経質になりすぎても楽しめませんが、意味を知りアナログレコードを楽しむのを生活のルーティーンの一部にしてしまえば、もっと深く楽しみが増すかもしれませんね。
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