コーヒーのことを少し知り出すと、バリスタとか、焙煎士とよばれる人たちがいることを知ることになります。
「コーヒーバリスタ」は、エスプレッソやカプチーノなどのコーヒーの知識を幅広く熟知しつつ、接客のプロとして、美味しいコーヒーを提供する人たちやその仕事の事です。「バリスタ」というのは、イタリア語のber(バール)で、給仕する人の事を表します。本来は、コーヒーだけには止まらないのですが、日本ではコーヒーに特化していることが多いようです。
焙煎士は、そのバリスタが美味しくコーヒーを淹れるためのコーヒー豆に熱を入れる人たちです。バリスタより裏方な感じがしますから地味かもしれませんが、少し詳しくご紹介します。
コーヒー焙煎士の、コーヒーの味への「3つのこだわり」
1、まずは良い豆を手に入れる
野菜でも肉でもそうですが、良い素材を使うのはとても重要なことです。ちなみに、「コーヒーの味は、約80%が原料によって決まる」とも言われています。
もちろんそこまで良いものでないものを美味しくするのも素晴らしいことだということは大前提として、美味しいコーヒー豆に焙煎するには、そして良い素材を手に入れる為には大きな優位性を手に入れることになります。
以前はこれが意外と難しく、コーヒー豆の流通は大手の独占状態だったので、その中で良い豆を見つけ出し手に入れていくのはとても大変だったようです。しかし、そういう経験を経ることは、得難い経験や出会いを創ってくれます。
現在の、こだわりを持って仕事に取り組んでいる焙煎士は、この精神や経験の巨人の肩に乗って、より良いものを私達に提供しようとしてくれています。
実際に農園に足を運んで、その生産体制や農園の人達に触れた上で判断し買い付けたり、仕入れ先を見つけたりします。それは、私たちにより美味しく安全なコーヒーを提供してくれることになります。
2、ハンドピック
その、良い豆を見つけて仕入れた生コーヒー豆から、虫食い豆やカビている豆・割れている豆などの良くない豆を取り除いていきます。この工程を経て、コーヒー豆に熱を加えていき、焙煎をすることになります。
3、焙煎
1、生豆に熱を適切に与える
2、まんべんなく熱を与える
この2つのポイントを、コーヒー豆それぞれの銘柄やその時その時のコーヒー豆の状態を踏まえて、追求していきます。それによって、そのコーヒー豆の持つ味や風味を引き出していきます。焼き具合によってもその味は変わってきますので、コーヒーの味を決める大きな要素の一つです。
コーヒー豆の焙煎の深さによる風味の違いについてはこちら→>焙煎8段階!
焙煎士のこだわり まとめ
たかがコーヒー、されどコーヒー。コーヒー一杯数百円に詰まっている美味しさがあります。コーヒーの焙煎士が必要か必要でないかは分かりませんが、焙煎士のおかげで私たちは、インスタントコーヒーとはまた違うコーヒーの美味しさや良さを、手軽に楽しむことができたり感じることができます。
この焙煎までの地道な、人の目や手による作業ですが、これからAI化がどんどん進んでいくであろう現代において、とても貴重な人間味のある工程だと感じます。
この、人の感性を突き詰めていく性質を持つ、アナログで職人的なこの焙煎という作業。その贅沢なものを、一杯数百円で飲むことができ、ブレイクタイムを楽しませてくれるそのコーヒー。知らなければ知らないで何も起こることはありませんが、最近では、そんなこだわりのコーヒーを手軽に楽しむことができるようになっています。