ミュージシャン(ベーシスト)MonoNeonをとても気に入っているのですが、ネット上にはそれほど情報が上がっていないようです。特に日本語のサイトは少なくて情報が拾いにくいので、自分なりにインターネットなどから情報を拾い集めてまとめてみました。
MonoNeonを気に入っている個人的な感じを言葉にしてみると、単純に奏でるフレーズや音が好きです。雰囲気とか弾いている姿のたたずまいなども好きです。テクニカルでありながら、テクニックありきの音楽ではない感じや、たぶん彼が表現しようとしていることに共感できるところが多いのかもしれません。
インタビューが掲載されているサイトやそのインタビューも一部紹介しておきます。
最後の方には、動画をいくつかピックアップしてあるので、そこからもまた直観的な情報が得れるのではないかと思います。インタビューが掲載されているサイトやそのインタビューも紹介しておきます。
ネットからの情報なので、真偽が不確かな情報も多々あるかもしれませんが、それを踏まえて読んで下さい。
基本的な情報
本名
ディウェイン・トーマス・ジュニア(Dywane Thomas Jr.)
出身
アメリカ合衆国テネシー州メンフィス生まれ。
生年月日
1990年8月6日
楽器のはじめ
「4歳の頃に父にギターをプレゼントされ、それをひっくり返してプレイして以来ずっとそのまま」のスタイル。
学校 とその後
バークリー音楽院卒業後の2010年から本拠地をロサンゼルスに移す。
Mononeonの特徴
逆さまのベース
右利きだけど、右利き用のベースを左利きの構えで弾くのがとても特徴的です。
右利きだと一般的には右手の利き腕で弦を弾いて、ネック指版を左手で抑えますが、それが逆になります。上下逆なので高音弦はサム、低音弦はプルになっています。
右利きの人が使う状態のものをそのまま逆さに持つので、低音弦は下に、高音弦は上にあります。スラップをする時は高音弦がサム(親指)、低音弦がプルになっています。
エリック・ゲイルズというギタリストがいるのですが、同じ様に右用を左構えで右利きで弾きます。この記事の最後の方に、一緒に弾いている動画を挙げておきます。
(似たスタイルで、ジミー・ハスリップがいます。低音弦は下になって高音弦は上というスタイルは同じですが、彼は左利きで、左利き用のベースを使っていて、弦の張り方が上下逆というスタイルです。)
ちなみに、ギターも凄く上手いです。歌も歌っているし、インスタやYouTubeなどの動画を観ていると鍵盤も弾いてるので、色々な楽器ができるマルチプレイヤーです。
カラフルで個性的な見た目
服装がカラフルで、ニットキャップやフェイスマスクをかぶりゴーグルをしていたり、赤ちゃんが着るようなイメージの服やぬいぐるみのような靴を履いていたりしています。ベースもカラフルなテープが無造作に貼ってあったり、たぶん自分でマジックで書いたであろう「MONONEON」の文字が書いてあるテープが貼られたりしています。
クォーターノート
一般的なギターやベースのフレットの倍のフレットが打ってあるベースを弾くこともあります。半音の更に半分なのでクォーターノートに区切られた音をコントロールするという事で、フレットレスベースとはまた違う音の響かせ方と音程のコントロールになるのだと思います。
ベースで喋るを音楽にする
結構前から、人の言葉を真似したベースプレイがインスタやYoutubeにたくさん投稿されています。スティーブ・ヴァイ(僕のぐたーヒーローの1人です)がギターで人が喋るのをまねしたプレイをしていたのを思い出します。MONO NEONは喋りのフレーズを真似た後に、それを少しリズミカルにメロディカルにしてビートに乗せて音楽にしています。
そうすると、ただの言葉が歌とかラップに聞こえてくるし、日常が少しの音楽的要素や考え方や捉え方で、見え方や情緒が変わることをシンプルに感じさせてくれていると思います。
ミュートプレイ
指と手のひらのミュートで暖かくこもった音色や音の長さコントロールして、アンサンブルや印象的なベースラインやイメージを生み出します。通常の指弾きやスラップやサムピッキングや早弾きのテクニカルな要素をひけらかすベースはあまり好きではないのですが、MONO NEONのベースプレイは、そういったテクニックも手段の1つとして使われているように感じます。ベースプレイヤーの自分に、ベースという楽器のすばらしさを再発見させてくれます。
思想や芸術運動からの影響
特徴の一つとして最後に挙げていますが、個人的にはこの思想的な部分が興味深いです。それらをどう解釈しているのかまでは分かりかねますが、ネットなどから拾える情報では、
シュールレアリスム・ダダイズム・ミニマリズム・アメリカ抽象表現主義などから大きな影響を受けているようです。服装などはその影響による物だろうと思っていたのですが、本人のインタビューでやはりそう語っているようです。
好んでいるらしい画家の名前と、自分の持つ個人的なイメージです。できれば、作品を観てみて下さい。
Ellsworth Kelly
抽象主義・カラフル・ハードエッジ
Frank Stella
抽象絵画・線・捻じれ・カラフル・立体
René François Ghislain Magritte
固定概念を外すような絵・シンプル・象徴的
Marcel Duchamp
ダダイズム・コンセプチュアルアート
Mark Rothko
抽象主義・色・風景・空気感
Jackson Pollock
抽象画・意識と無意識・必然と偶然・作為と無作為
Salvador Dali
カイゼル髭・抽象的・捻じれた時計・空間・歪み
Max Ernst
抽象画・不安
などです。
曲名とか服装・雰囲気・発言(インスタ等での)などにもその影響を感じられるのではないでしょうか。
上記の内容についての本人のインタビューの一部を引用しておきます。
“「4歳の頃に父がギターをプレゼントしてくれたんだけど、それをひっくり返してプレイして以来、ずっとそのままなんだ。既存の作品を組み合わせて非日常的なデザインのものを作っていく、マルセル・ド・トランプというアーティストがいるんだけど、ソックスや見た目のカスタマイズについては、彼のアイディアにインスパイアされているんだ。」”
Blue Note TOKYO webサイトから引用
[インタビュー|MY INSTRUMENT]モノネオン | News & Features | BLUE NOTE TOKYO
“私は4歳でベースを演奏し始め、独学です。私のおばあちゃんのリビングルームは私の練習室でした、私はWDIA 1070ラジオ局、すべての南部の魂/ブルースの曲で演奏した曲と一緒に練習したことを覚えています。考えてみると、家族全員が私の音楽の基盤に影響を与えました。90年代初頭、私の家族はハウスパーティーをしていましたが、ステレオでブラストしていた音楽はZ.Z.ヒル、ジョニー・テイラー、ボビー・ウォマック、リトルミルトン、デニス・ラサールなどでした。その音はいつも私の一部になるだろう。音楽家としての私の発展のもう一つの重要な部分は、教会で演奏していました。私が最も学んだのは、常に教会のピアニスト/オルガニストでした。”
”「ポリネオン」(現在は「モノネオン」と呼ばれる)ペルソナと抽象化の起源は、ダダイズムとシュルレアリスムとポップアートについて読み始めたときに始まりました。アヴァンギャルドな視覚芸術は私の個人的な服装に大きな影響を与え、視認性の高い服、明るい配色の服、フェイスマスク、野球の胸のプロテクターなどを着るように促します。ダダイズムを読んでいる間、私は内省の考えを受け入れ始め、最終的に偉大なミュージシャンになるという世の中の考えについて考えるのをやめました。偉大なミュージシャンになるという世の中の考え方が圧倒的になったので、そこから離れて幸せです。”
引用先
キリアン・ドゥアルテのディワネ’モノネオン’トーマス・ジュニアとのインタビュー (bassmusicianmagazine.com)
ディスコグラフィ
2009年にGospel Chops Bass Sessionzに参加。(アンドリュー・ゴーシェ、アドリアン・フェロー、ヤネク・グウィズダーラ、ロバート・”バビー”・ルイスらと参加)
2010年に「Polyneon」をリリース、同年にNE-YOの「Libra Scale」収録の”Makin’ A Movie”にゲスト参加。
ソロアルバムとしては2012年に「Down-to-Earth Art」をMono neon名義でリリースしました。
制作物の多いのが彼の特徴の1つで、2010年から現在に至るまで20以上のアルバムをリリースしています。
MONO NEONが紹介されるときに、Prince(プリンス)が最期に仕事を共にしたミュージシャンの一人だとよく言われています。
“「プリンスとは2015年の頭くらいからペイズリー・パーク(プリンスの自宅兼スタジオ)で仕事をし始めたんだ。あそこで仕事をしたことをきっかけに、ジュディス・ヒルとプレイし始めたんだよ。2015年の末にプリンスから彼のバンドに参加してみないかと声をかけてもらい、それから2年が経とうとしているってことさ。」”
Blue Note TOKYO webサイトから引用
[インタビュー|MY INSTRUMENT]モノネオン | News & Features | BLUE NOTE TOKYO
“私はバークリーでの短い滞在中にデビッド・フィウチンスキに会い、それは最も地に落ちた方法で人生を変えました。Fuzeは私がミクロ音と東洋のメロディシズムを使うのが大好きな理由です。私がバークリーを去る前に、私はベイクドポテトでLAでFuzeとアレックス・ベイリー(ドラマー)と一緒に演奏し、それは私が今まで演奏した中で最も偉大なギグでした。彼らは私が自分自身であることを許し、Fuzeは私の南部の魂/ブルースとファンク財団を認識し、彼は彼がやっていることでその音を望んでいました。それは非常に正直な経験でした。私はまた、Fuzeのために他のミクロトーンの作曲家(イワン・ヴィシュネグラツキー、ジュリアン・カリージョなど)について聞いて読み始めました。”
引用先
キリアン・ドゥアルテのディワネ’モノネオン’トーマス・ジュニアとのインタビュー (bassmusicianmagazine.com)
共演
個人として活動しているように感じますが、現在は、Ghost Noteのメンバーとしてがメインの活動のように見えます。でも、多くのミュージシャンとも演っていたり、バンドに参加したりしています。
それらを、自分が分かる限りでピックアップします。
HARVEY MASON “CHAMELEON”(ハーヴィー・メイソン “カメレオン”)
場所は日本のTOKYO BLUE NOTO
featuring JOSEF LEIMBERG(Tp : ジョセフ・ライムバーグ), MARK de CLIVE-LOWE(Key : マーク・ド・クライヴ・ロウ )
2017 9/1(金) 9/2(土) 9/3 (日)
スペシャルゲストに DJ Krush (9/2、9/3)
ハーヴィー・メイソンは、ハービー・ハンコック『ヘッド・ハンターズ』やブレッカー・ブラザーズのファースト・アルバム等を支えた名ドラマーにして、カマシ・ワシントンやマイルス・モズリーなど数々の逸材を発掘・育成した人。
自身のユニット“カメレオン・バンド”による公演。
トランペットのジョセフ・ライムバーグはケンドリック・ラマーの名盤『To Pimp A Butterfly』にも携わっています。
レッチリのフリー
MONO NEONのインスタグラムに映像が公開されています。
他、ミュージシャンとアルバム名などを挙げておきます。
Ne-Yo
“Libra Scale” (2010)
Bass on “Making A Movie”
Georgia Anne Muldrow
“Ms. One” (2014)
Prince
“RUFF ENUFF” single (2016)
WEON
(WEONはベーシストのモノネオンとプロデューサーのクリスウォンツーとの実験的なデュオ)\
“WEON” (2013)
“Neon the Won” (2015)
Mac Miller
Circles (2020)
Nas
King’s Disease
Mono Neonの使用機材
MonoNeon(モノネオン)の使用機材:ベース
色々と使っていますが、よく使っているのはLakland Skyline 55-01だと言われています。
クォーターノート(一般的なピアノは半音ごとなので、それの半分の音程)に対応したベース(一般的なフレット有のベースの更に倍のフレットが打ってある)をCallowHill Guitarsが製作しています。
アンプ
tc electronic blacksmithが紹介されているサイトもありますし、映像を見るとAMPEGを使っていたりもしています。EBSとも関わっています。
エフェクター
ワウペダルやフェイザーやコンプレッサーを床に転がして使っているようです。仕様エフェクターは多くなく、シンプルな音作りです(シンプルだけど個性的)。
TC electronic Helix Phaser
TC Electronic SpectraComp
DigiTech Whammy
Mono Neon の動画をご紹介
自分が気に入って観ている動画からいくつか選んでご紹介させていただきます。
少し前に、お気に入りのミュージシャンの『JD Back & DOMi』を当サイトで紹介したんですが、そのJD Back & DOMi と『MONO NEON 』が一緒に演奏している動画がいくつかアップされている物から1つ挙げておきます。
“Under The Spell Of You” – MonoNeon • DOMi • JD Beck (WHATEVA THE FYUCKS)
https://youtu.be/m-eTmy735AU
Mono Neon のYouTubeチャンネルから4つ動画ピックアップしました。
1つめは、
MonoNeon x J Dilla / “la la la”
https://youtu.be/NZvwqLgmcTc
MonoNeon with Ghost-Note “Live at the JammJam in Los Angeles”
2つめは、Ghost-Noteとやってるステージで、その中でもMono Neonがフューチャーされている動画です。
“The Gov’t Chicken Sandwiches” (Chick-Fil-A & Popeyes)
3つめは、人間のしゃべりをベースでトレースしつつ、それを音楽にする動画から最近もので良さげなのを1つ選びました。
MonoNeon LIVE at Summer Camp Music Festival
4つめは、Mone Neon がメインのステージで、あまり多くない長い映像からの1つです。
Ghost-Note – Full Set (Live Acoustic) | Sugarshack Sessions
Ghost-Noteのアコースティックライブです。それぞれの音が良く聞こえると思います。
NAMM 2017: Eric Gales & MonoNeon Live At The Dunlop Booth
同じ様に楽器を構えるEric Galesのギターとの絡みが良い感じです。
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