一般的に、そう何度も不動産を買うことは少ないので、不動産を買いたいときにまず不安ことの一つは、「一体どんなお金が掛かるんだ?」ではないでしょうか。
話を進めていったら、後になってアレもコレもと必要な経費が出てきて、資金が足りなくなってくる事は避けなければいけません。
ここでは、一般的な土地を購入する際に必要になってくる費用をご紹介します。
これで土地購入費用の概算は出来る内容になっていると思います。でも、建物付きの土地はまた別の費用も掛かる可能性が高いですし、購入した土地に建物を建てたりやリフォームをする場合にも違う費用が色々掛かりますので、注意して下さい。
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〈売買代金〉
不動産を売る価格、買う価格です。チラシとか店頭に表示されている価格ですが、実際に購入するに合意した価格が支払う費用の大きな項目の一つになります。
この金額だけで土地は買えないと思っておかないと危険です。(そりゃそうだろ!と思う人多いと思いますが、知らない人も意外と多くいるので、丁寧にいきますね。)
〈手付金〉
不動産物件の売買契約が成立した際、買主から売主に支払うお金です(別途掛かるわけではありません)。契約成立の証との意味合いであり、万が一契約が解除された場合の担保ともいえます。
契約解除をする場合には、買主からの解除の場合は、手付金を放棄することになります。売主から解除する場合には、手付金全額を返上した上、さらに同額を買主に支払う事になります。
一般的な金額は、売買代金の10%前後で、宅地建物取引業者が売主となる場合には、売買代金の20%以内と定められています。
手付金はプラスで別途掛かってくるお金ではあるませんが、手付金は売買代金の一部ではありません。本来は売買代金の支払いの際にいったん買主へ返還するお金で、手付金を支払っても、売買代金の一部が支払われたことにはなりません。実務的には、契約書に「手付金は、残代金支払いのときに売買代金の一部として充当する」と記載して、手続きを簡略化することが多いです。
注意点として、手付金と申込証拠金は違うという事を知っておきましょう。申込証拠金は契約前に購入意思表示をする為に支払うもので、やっぱり買わないとなった時には変換して貰えるものです。ですが、相手側が返還を拒むことがあったりもします(相手は当てにするので、気持ちは分らなくはないですよね)。ですので、申込証拠金を払うときは預り証を発行してもらい、もしキャンセルした場合の申込証拠金の取り扱いについて(※全額返還されるのか、キャンセルはいつまで可能か、など)書面でも必ず確認するようにしましょう。
〈表題登記費用(表示登記費用)〉
表題登記(表示登記)とは、不動産の物理的な状況を明らかにするために、不動産登記簿の表題部になされる登記のことです。建物が建っている土地の購入や買った土地に建物を建てた場合に必要な登記です。例えば、物件の所在地・地番・家屋番号・床面積・構造・建物の種類・地目等で、どの不動産かを特定するのに必要な情報です。
個人でも登記できますが、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
原則的には、表題部の記載に変化があった場合になされるすべての登記を表示登記といいますが、一般的には、建物を新築した場合などに、登記簿を新たに開設して表題部を設けるための登記をいいます。新築建物が完成または引き渡されてから1ヶ月以内に表示登記を申請する義務があり、これを怠ると10万円の過料が課せられます。
費用の目安
一般的な一戸建ての場合、8万円~10万円ほど。
〈所有権保存登記(所有権移転登記)費用〉
売買・贈与・相続などによって、土地や建物の所有権が移転したときに行う登記です。例えば、所有権、抵当権、地上権、賃借権等の権利を誰がいつから、どのような原因で取得したかなどを記載します。今までの権利の移り変わりなどが記載されていることになります。
売買での所有権移転登記の申請は、売主・買主連盟の登記申請書を提出します。
新築した建物の権利を登記する場合は、保存登記といいます。所有権の登記のない不動産(甲区欄)がないものに、初めてされる所有権の登記ということになります。土地は基本的に、所有権があるものがほとんどなので移転登記になりますが、田舎の方では権利登記がされずに相続されてきている土地もまだ多くあります。
義務である表題登記とは異なり、権利登記は権利であり義務ではありません。登記しなくてもお咎めはありませんが、第三者に対して権利の対抗ができないし、抵当権の設定もできません。
費用の目安
所有権移転登記・所有権保存登記・(抵当権設定)・謄本請求や付随業務、の合計になりますが、物件の内容やローンを組むかなどによって必要な登記も変わってきますので、下記の例を目安にしてみて下さい。詳しくは、依頼する司法書士事務所等に確認しましょう。
抵当権設定は、住宅ローンを組む場合の登記費用として発生します。
内訳例
例
土地の所有権移転登記の登録免許税額:1,000万円×1.5%=150,000
司法書士への報酬目安:約45,000円
建物新規取得にともなう所有権保存登記の登録免許税額:1,500万円×0.15%=22,500
司法書士への報酬目安:20,000円
その他、減税証明書や謄本等などの諸々の諸経費も入ってきます。
住宅ローン利用の場合の抵当権設定登記の登録免許税額:2,500万円×0.1%=25,000円
司法書士への報酬目安:約35,000円
〈登録免許税〉
上記の登記費用の中に入ってくる、登記費用の中の一部です。
土地の所有権移転の登録免許税
不動産の価額 × 1.5% (令和3年3/31までの軽減税率 )自動的に適用(本来は2%)
不動産価額は、固定資産税の評価証明書で確認できます。「令和〇〇年度価格」という欄のところ。都道府県税事務所の固定資産課税台帳でも閲覧できます。
売買する土地が一筆で文筆や合筆がない場合は、上記の計算方法のみで良いのですが、文筆や合筆、もしくは複数の地番の土地を売買する場合は、売買対象面積での計算となるので注意が必要です。
建物の所有権保存登記の登録免許税
建物評価額 × 0.15% (要件を満たした場合の軽減税率・令和) 申請が必要(本来4%)
証明を受ける条件 ※自治体によって若干異なる場合があります。
1.個人が建築した住宅用家屋で、新築後1年以内の住宅用家屋
2.その家屋を新築した個人が居住の用に供すること
3.その家屋の延床面積が50㎡以上のもの
4.店舗等を含む併用住宅の場合、居宅部分が建物全体の90%を超える家屋
5.区分建物の場合は、耐火又は準耐火構造
建物評価額は、法務局認定価格となります。法務局認定価格とは、新築における建物の1㎡あたりの価格を法務局で決めた価格であって、建物の実際の価値とは違い、用途(居宅、共同住宅、事務所、病院・・・)と構造(木造、軽量鉄鋼造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造)の違いによって一律に決められた価格となります。都道府県ごとに決められているので、全く同じ目的と建物であったとしても、都道府県が違うと違う評価になります。
住宅ローンの抵当権設定登記における登録免許税
住宅ローン金額 × 0. 1%
〈固定資産税等精算金〉
固定資産税は、1月1日の所有者に1年分の請求が来ます。そして、不動産を売買した場合、直近の固定資産税は丸ごと1年分が売主に届きます。
買主が引き渡された後の分まで支払うのはフェアではないので、不動産取引の一般的なルールにより、日割り計算をして、買主の所有期間分は、売り主に支払ってあげる事。その支払うお金のことを、清算金といいます。
例 1年分の固定資産税の額が41,598円 引渡し日 9月27日
9月27日~3月31までの168日間が買主の負担になります。
41,598 ÷ 365 =113.97円 → 113,97円 ×168=21,197円
⇒21,197円が清算金
都市計画税がある場合は、都市計画税も精算金の中に入ってきます。それで、正式な書類には、固定資産税等清算金とか固定資産税・都市計画税清算金という風に書かれます。
〈印紙代〉
印紙税の仕組みは契約書や領収書、手形などを作成する際にかかる税金のこと。消費税には掛からないが、契約書には消費税を別に記載(区分記載)をしておかないと税込み額に掛かってしまうので注意が必要。
全ての契約書や領収書の作成において印紙税がかかるわけではなく、ある一定の条件を得た人が支払う形になります。また印紙税を支払うのは作成した人、つまり、領収書であれば領収書を作成した人、契約書であれば契約書を作成した人となります。民法上、契約書の印紙代は契約当事者の双方が折半して負担することになっています。
印紙税は収入印紙を購入した時点で納税ではなく、収入印紙に消印を入れた時点となります。
不動産売買で発生する取引
主に ①不動産売買契約書 ②不動産交換契約書 ③不動産売渡証書 の3つ。
他に、土地賃貸借契約書 土地賃料変更契約書 があります。
金額は、領収書・不動産売買契約書・工事請負契約書・金銭消費貸借契約書で額面が違うので、国税庁の印紙税額の一覧を参照する。時限的に軽減措置等もあるのでそれも併せて確認をする。
注文書と注文請書、発注書と受注書
注文書と発注書には原則として、収入印紙は貼らなくてもよい。
※注文書を送付しただけで自動的に契約が成立する手続きの場合は、課税文書となります。
例え、申込書という書き方の書類でも、それによって契約の成立を証するものになれば、記載内容を元に課税文書になるかが判断されます。
注文請書と発注請書は、契約の成立を証する書面なので、収入印紙を貼る必要があります。
発生しない場合
1. 5万円未満の領収書を発行した場合
2. 質権や抵当権の設定した契約書を作成した場合
3. 譲渡に関する契約書を作成した場合
4. 建物賃貸借契約書もしくは使用賃借に関わる契約書
5. 媒介契約書や売買委託契約書など委任に関する契約書を作成した場合
〈上下水道負担金〉
〈銀行保証金〉
〈仲介手数料〉
売買契約が成立した後に不動産会社に支払うお金(成功報酬)
特別な宣伝活動(個別でチラシを作成等)や不動産の管理業務を依頼した場合は、別途費用発生します。
1、売買の仲介の場合
依頼者の一方(売主又は買主)から受けることのできる報酬の額は、消費税込みで (ア)+(イ)+(ウ)以内となります。 上限は定められていますが、少なくてもオッケー。
• (ア)200万円以下の金額 × 5.5%
• (イ)200万円を超え400万円以下の金額 × 4.4%
• (ウ)400万円を超える金額 × 3.3%
例えば売買金額が1000万円の場合
• (ア)200万円 × 5.5% =11万円
• (イ)(400万円-200万円) × 4.4% =8.8万円
• (ウ)(1000万円-400万円) × 3.3% =19.8万円
※ 合計39.6万円(税込み)以内となります。
低廉な空き家等の売買又は交換の媒介における特例
代金の額が400万円以下の宅地建物であって、通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を要するもの(低廉な空き家等)の取引に当たっては、依頼者たる売主または交換を行う者から受ける報酬について、当該現地調査等に要する費用を加えることができます(あらかじめ報酬額について合意が必要)。
ただし、現地調査等に要する費用を加えた合計報酬額は、18万円+[消費税額] を超えてはなりません。
2、売買の代理の場合
依頼者から受けることのできる報酬の額は、(ア)+(イ)+(ウ)の2倍以内となります。
つまり、売買金額が1000万円とすると79.2万円(税込み)以内ということになります。
低廉な空き家等の売買又は交換の代理における特例
代金の額が400万円以下の宅地建物であって、通常の売買又は交換の代理と比較して現地調査等の費用を要するもの(低廉な空き家等)の取引に当たっては、依頼者たる売主または交換を行う者から受ける報酬について、当該現地調査等に要する費用を加えることができます。
ただし、現地調査等に要する費用を加えた合計報酬額は、告示第二による額(従来の規定/消費税込)と18万円+[消費税額] の合計を超えてはなりません。
3、「仲介(媒介)」と「代理」の違い
「仲介(媒介)」 : 不動産会社が、売主と買主の間に入って、取引を取り持つこと。
この場合、実際に不動産の売買契約を結ぶ当事者は、売主・買主自身であって不動産会社ではありません。
仲介手数料は、売主・買主がそれぞれ、自分が依頼した不動産会社に支払うことになります。(売主も買主も両方とも一つの不動産会社が見つけてきた場合は両手に仲介手数料をもらうことになります。要は倍です。)
「代理」 : 売主・買主の一方から代理権という権利をもらい、当事者の代わりに不動産契約を締結をする事。
この場合、双方代理禁止というルールがあります。
代理契約の場合に、不動産会社に支払う手数料については、契約によって決められるため、不動産会社から代理契約を提案されたときは、売却したときにかかる手数料、その他の費用を必ずチェックしておきましょう。
4、仲介の種類
一般媒介契約 : 仲介を依頼した不動産会社・それ以外の不動産会社・売主本人 等、広く 探してこれる。(間口が広い。その反面、本気で探してもらいにくい可能性がある。)
専任媒介契約 : 仲介を依頼した不動産会社以外の不動産会社に依頼してはいけない。売主本人が
探してくるのはオッケー。
専属専任媒介契約 : 仲介を依頼した会社以外はダメ。
5、売主にとってお得なのは(売主:例えば相続人)
売主と買主の間に、それぞれ不動産会社が付いた仲介、「片手仲介」がお得。 買主分の仲介手数
料は買主が払うことになる。
両手仲介では、売るために値下げをさせやすい状況になるので、売主には損する可能性がある。
でも、逆もしかりで、少しでも高く売ろうと買い手側を誘導することもできる。ただ、安くすることの方が
売買契約は成立させやすいのは間違いない。
〈火災保険料〉