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映画「ヤクザと家族 The Family」とmillennium parade(感想・ネタバレ注意)

familia

映画「ヤクザと家族 The Family」を観て、とても感慨深かったので、感想を記しておこうと思います。

ちなみに読んでいただけるのであれば、「暴力で何かを解決する行為や暴力で誰かを支配したりすることに嫌悪感をもち、millennium paradeにリスペクト念を持っている43歳の2児の父親」が書いていることを差し引きながらというか、そういう人間の感想だとういうことを前提として読んでください。それと、藤井監督の作品は初めて観ましたし、映画マニアや映画ファンとしての感想ではないので、興味がない人は読むと時間の無駄ですのでよろしくです。

2021年 2月13日土曜日、15:45開演。土曜日でありながら、映画館に人はまばらだった。新コロナウイルスの影響であることは考えるまでもないことだろう。残念で悲しいという感情と、人が少なくて感染リスクが少ないことにホッとする感情が混ざる。そんな自分にため息をつきながら席に座り開演を待ちました。

『ヤクザと家族 The Family』を観終わっての感想

観終わった時には、不条理の憂鬱も在ながら、ヤクザ映画等を観終わった時によくあるようなアドレナリン出てる感じではなく、未来への希望すら感じて活力が生まれてくるような、スッとした気分になりました。そして、我慢しきれず涙がボロボロ出てきてしまって、持ってきたサングラス掛けて映画館を出ることになりました。

ヤクザ映画ではありますが、ヤクザを肯定していたり格好良く描いている映画というよりは、シンプルであまり肉付けのない素朴な感じで、とてもフラットに格好良さも格好悪さもその虐げられる理由も描いているように思いました。ヤクザ映画というより家族映画という感覚になりました。それでも、ヤクザ映画であり、暴力描写もありますし(アクションシーンはシャープで良かった)(コテコテの暴力シーンを期待していると物足りないかもしれませんね)、暴対法による社会問題といった事が題材ですが、それを象徴や問題提起としながらも、自分としては下に記したような事を強く感じました。


観終わって自分の中にクローズアップされた「何か」を短めの言葉にして挙げてみます。

・暴力の連鎖を止める人・世代
・世代間においてのバトンの渡し方
・次の世代やその先に何を残し何を残さないようにするのか
・血による家族の絆と血によらない絆
・暴力による恐怖と暴力によらない恐怖の対比
・暴力の連鎖や暴力によらないけど強い力の在り方
・その世代それぞれでのカッコイイ人間の愛の在り方
・世代ごとの違いと世代ごとの格好良さの部分
・善と悪に短絡的に分けると根の深いネガティブな感情が生まれること
・日本
・排除
・潔癖・不寛容
・罰とルールと軸
・愛だろ、愛
・質高く寛容で在りたい

キーワードにしようとしたら、もっとたくさん出てきたので、自分にとって強かったところだけにしました。

そういったことを(も)、わかりやすいアイコンというか象徴しやすかったり感情に訴えやすかったりパワーワード的な意味でヤクザや暴力での表現した作品とも受け取れました。時代の流れを暴対法と14年ぶりのシャバという時間の断絶でわかりやすく表現されているのではないかと思います。

自分としては、
「その(ここでいう暴対法)潔癖さによる悲劇や一緒に失われてしまう良いもの」
「時代の流れによる継承の難しさ」
「全ての人間はみんないびつで良い部分もあれば良くない部分もあるんだけどな~」
「他人の人の失敗や過去の過ちに厳しいな、結果は良くも悪くもその人の人生だから必要以上に叩く必要あるのか?」
といったコトに想いを巡らしました。

そして、こう言った恐怖は日常の中でも行われていることなのだということを、「これはヤクザ映画だから」という言葉でごまかしてはいけないという思うし、ヤクザ映画という括りでこの映画を見て欲しくないなと思いつつ、自分が親や先祖・先輩達や先人達から受け継ぎ送るべき事と、断ち切らなければならない事をどれくらいできているだろうかと自問自答を、改めて想いながら観ていました。

世代ごとのキャスト

どのキャストも主人公級な存在感でしたが、あえて印象深かったのは、最後に出会う二人です。きっと、自分に高校生になる息子や中学生になる娘がいる事が強く影響しているとは思いますが、この2人の存在感はとても輝いて見えました。

世代ごとのキャラクターが分かりやすく描かれていると感じました。もちろん、その世代の人がみんなそういう格好良さを持っているというわけではないけれど、描かれている格好良さや矜持やそれによる憂いや影のようなものがその世代感を感じさせていると思います。

自分の世代の事を思い浮かべると、43歳という自分は、明治・大正・昭和の流れの一番下流にいるのではないかと感じています。今の30代半ばから40代全般くらい世代は、数百年に一度ある転換期の過度期に当たるのではないかと感じていたので、その思いとリンクしての感想になっていると思います。

今の40代の多くは、固定観念や既得権益に対してもう諦めていたり、いつの間にかそっち側に入ってしまっていると感じていますが、それでも自分としてはまだまだやるべきことがあると思っています。自分達の世代では、ボーダーレスな感覚に対して、「風見鶏(どっちつかずで卑怯者)と言って悪く言う価値観がまだ根強くあると感じますし、一人一人の値観が混沌としているし、社会自体の価値観や状況も混沌としている時代を20代30代40代とを生きてきた世代といった感じでしょうか。「気合いと根性」を盾にされると抗い難い世代ですね。

ロストジェネレーションなんて呼ばれてもいますが、とても重要なHUB的世代だと責任を感じながら生きています。主人公の立ち位置も、そういった世代の一つの物語に感じました。

善と悪

ここでは、善というものがほとんど描かれていないと感じました。いろんなタイプのヤクザと権力を短絡的に使う刑事と無知で無慈悲な一般市民がほとんど。その中で、恋人役のゆかとその娘、あと翼の母親がフラットな存在として存在しているけど、善というもの自体あまり描かれていないと感じました。でも、その3人が悲しんだり不幸になるのは理不尽だといことはよく分かります。

ヤクザでも、利益より義理人情を優先する人もいれば、利益優先の人もいる。どちらがましなのかは、その価値観が結果的に何を生み出すかでも変わってくるから、それだけでは分からない。ただ、その3人みたいな状況の人が悲しむことが多く起きなければ良いなと思う。そして、未来に希望が持てるようにと思う。

権力や経済力で強い立場になった人が私欲を通せば、より悲しい方に傾きやすいのだということは再認識しました。2:6:2の6は日和見勢力で、強い2の方に染まりやすい。そして、そのなかでより良くあろうとする者は大きな労力や悲しみを背負いやすくなる場合がある。善と悪は簡単に割り切れない。ただ、悲しみより希望が多く生まれるのが良いなと思います。


くどくなってきたので、後は端的に書きます。

出会いの場での、顔の表情の変化の演技が皆さんとても印象的でした。

時代背景とか心象風景を表すように、煙突から煙が出ているのが、とても象徴的でした。

自分は、ハグを家族とするのですが、それはやっぱり良いことだなと再確認もできました。

あと、悪ぶるとかイキがるではなく、「気をはいている」ことが強さを感じさせるんだということを改めて感じました。

「ヤクザと家族」とmillennium parade

the millennium parade

そして、エンディングにmillennium paredeが手掛けた主題歌「FAMILIA」が流れます。エンドロールはとても短くて、この曲で締めくくり!みたいな感じで、そこで一つの作品としてスカッとまとまった感じがしました。

なぜそう感じたかというと、日本的な雰囲気や鎮魂歌的な雰囲気の楽曲だということ。更に、現在28歳を中心としたクリエイターの集まりでありボーダーレスに圧倒的に新世代という変化を感じさせる作品やグループの在り方を体現しているmillennium paradeの存在感が音になっているようで、映画と音楽というものがあらゆる意味でリンクしている感じがしたからだと思います。

そして、映画の公開と近いタイミングでリリースしてアルバムのテーマと思われる死生観とか狭間の存在のような者の事などもとても親和性の高いと感じも感じました。

映画の中のキャストもそれぞれにストーリーや奥行きを感じ、皆が主人公のように輝いていると感じました。それもまた、皆が輝ける集団としてある一定の体現ができているmillennim paradeとの親和性を感じます。皆が輝く場を作るというのは本当に難しいと我が人生にて身をもって感じているので、とても良い刺激とエネルギーをこの映画とmillennium paradeから貰ったと感じています。(競争をしないとか、みんなでゴールするとか、そんな事で皆が輝けたりは絶対にしないので。皆が真剣にやりながら、それができる場を作って維持するのは素晴しいことです。)

ゴチャゴチャと書きましたが、単純にとてもとても素晴らしい素敵な曲です。
自分にとっては静かに希望や力が湧いてくる曲になっています。

いつものことですが、エンドロールは観ないで席を立ってしまう人が多いのは残念でした。半分ほどの人が最後まで観ずに席を立っていました。個人的には、映画はエンドロールも作品の一部として意味を込めて作られていると思っているので、最後まで観て欲しいな〜という思いもありながら曲を聴きながら歌詞の字幕を眺めていました。

歌詞に、「道半ば果てたとて もう思い遺すことはない」とい部分があるのだけど、毎日を一生懸命気持ちを込めて生きていたり、覚悟を持って生きることが多い人であればあるほど、この歌詞には胸が熱くなるのではないかと思います。自分などは、まだまだ思い遺すことも結構あって、情けないなぁと思ってしまいます。

涙は流していましたが、「不条理のもどかしさを感じながらも、胸が熱く希望を感じる」、そんな気分で映画の幕が閉じました。


そのmillennium paradeのアルバムが、とても良かったので紹介させていただきます。「ヤクザと家族」の主題歌の「FAMILIA」が収録されています。


まとめ

くどくなく、でも深く、自分のテーマにも繋がるものもあり、何度でも観たいと思える、とても素敵な映画でした。ここで記した感想はあくまで、数ある感想の一つとして捉えてください。


そして最後に、この映画のアフターストーリーとして描かれた、「ヤクザと家族 The Family」の主題歌「FAMILIA」のPVを紹介しておきます。この映像を観て、その後の物語を想像してみるのも良いのではないかなと思います。


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Kazuya

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こんにちは。ブログやプロフィールで自分なりの考えを綴っているので、そんな人間が書いてるのを踏まえて読んでやって下さい。
ちなみに、プロフィール写真の我が子は現在高校生になっています。

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