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空き家が増える4つの理由、そして5つのリスク【サステナブル建築】

空き家活用イメージ

住宅や不動産といったものに関わっていると、『空き家』に出くわします。空き家は負債になるのか、それとも資産になるのか。その空家を取り巻く環境や事情によってもそれは変わりますが、まずは現状認識とか状況把握からということで、僕の経験や学びから、空家の増える理由と空家のリスクをお伝えします。

空き家が増える4つの理由、そして5つのリスク【サステナブルの種】

負債になるのか資産になるのか、少しでも良い未来に繋がるのか。今のところはゴミになっていったり、放置されて時間を消費していたり、その時間の間に色々な社会的マイナス要因も生み出していることが多いです。

『空き家』なので、土地だけではなくて建物が建っています。その建物は、邪魔者なのか、ゴミなのか、悩みの種なのか、それとも資産になるのか。それは、その事情によっても、アイデアによっても変わってきます。空き家が増える理由やリスクを知ることで、何か良いアイデアが生まれることを願っています。

建物には多くの資材が使われています。『サステナブル ソサイエティ』を考えるとき、今までのスクラップ&ビルドという考え方ではなく、ヨーロッパの建築物のように手入れをしながら積み重ねた時間が価値になっていけると、それは持ち主の資産価値や社会のもつ資産価値が増えるということです。そして、少ない資源やエネルギーで価値を創造できる一つの要素になります。

【空き家が増える理由】

空き家増加理由イメージ

〈時代背景や経済背景〉

戦後は日本の復興の力が素晴らしく、どんどん成長してきました。その流れもあり、伝統を活かすような価値観よりもスクラップ&ビルドといったように、まさに使い捨ての文化が広がりました。その使い捨ての時代背景や価値感に伴い、どんどん新築住宅が建てられてきたという流れがあります。
 

住み続けるというより新しく建てて転居(転居27.7%)。新築住宅も、新建材や効率化も重なり、維持管理の概念が薄く、長く使える素材より日常的な手間のかかりにくい安価な素材が多用されるようになり、職人による人によってバラつきのある技術よりもそれなりの水準を保ちつつ同時に多く生産できるような仕組みに置き換えてきました。
大きな組織で、方向性を作りながら統率を執ろうとするとどうしても、方向性が違ったりはみ出そうとする強い個性を保持するのは難しいのでそうなりますよね。最近では、色々な個性が活きるレベルの単位の組織が、もっと大きな方向性や軸を持って共生しておおきなパワーが生まれるようなネットワークが出来てきているのではないかと思っています。

それらにより、築年数の経った住宅はリフォームやリノベーションするのに大きなコストがかかったり、そもそも壊したほうが良いような劣化の強い建物が多いこともあり、既存住宅の維持管理への意識やポジティブな価値観が低く、高齢化社会が進むと共に既存住宅に住む多くの高齢者が住宅から不在になる(相続後16.9%・高齢により23.1%)ことで空き家が増加中。 ※「空き家ビジネス推進協議会」からの資料

現在でも年間当たり約60万戸のペースで増え続けているといわれています。

〈建物や立地の特性によるもの〉

立地条件や建物の状態が悪く、売却や賃貸等がしにくい住宅が多い。

〈立地条件が悪いところの例〉
過疎化により生活の不便さの強い地域 住宅が密集していたり道路が狭く車が入っていけない立地、調整区域等の制限がかかっている地域などの資産価値が見込みにくい地域、等が挙げられます。そういったところでは、民泊事業や田舎暮らしといったスローライフでもなく都会でもなく子供の人口も減っていて、売却したくても買い手がいない、貸したくても借り手がいない。といった状況があります。

〈税制〉

税制により、解体して更地にしてしまうと固定資産税が上がってしまう(3~6倍)ことがあります。「住宅用地の特例」というやつです。それは、ある一定の条件にあった住宅が土地の上に住宅が建っていると、その土地の200㎡までが6分の1になり200㎡を超えた分は3分の1になるというものです。これによって、所有していると土地の上には住宅が立っていた方がお得な場合が多いからわざわざお金かけて壊さないことが多いです。100万〜500万円くらいは解体に費用が掛かりますからね・・・。

ただ、平成27年に「空家対策特別措措置法」が施行されて、①保安上の危機②衛生上有害③適切な管理がせれておらず景観を損なっている④周辺の生活環境も保全のために不適切。この4つのうち一つでも該当する場合は「住宅用地の特例」が受けれることができなくなるようになりましたが、今現在は自治体によっても実施体制のばらつきもあり、大きな問題が起きているような空家以外はまだこれといった影響が出ていないのが現状だと認識しています。自分の住んでいる地域では、空家の持ち主を特定して空家のリスクや運用についてのチラシのポスティングをしているといったところです。

そろそろ、空家の持ち主は何かしらの行動を気にしだしているかもしれません。

〈過疎化〉

過疎化により、地方にある家が空き家になる(処分したいとは限らないが、立地条件的に賃貸の需要や活用方法がなければ、ただの空き家になってしまう。)。
2つ目に挙げたものと重なるところがあるが、本質的に言えば、実家や相続した田舎の家を持てあましている状態。都会に住んでいて、売るつもりがあっても売れなかったり、運用したくてもよく分からなかったりできなかったり、そういった状況で結局田舎の持ち家の管理ができていないことが多いのです。


※空き家等対策の推進に関する特別措置法とは

空き家イメージ3

〈税制〉のところに出てきた『空き家対策の推進に関する特別措置法』の簡単な説明です。

適切な管理が行われていない空き家がもたらすため、責務として、第一義的には空き家の所有者等が自らの責務で的確に対応することを前提にしている。

しかし、経済的な理由や複雑な権利関係等から、なかなかその責務を全うできない場合も考えられる。そのため、第一義的な責務は所有者にある前提にしながら、市町村が組織体制の整備や相談体制の整備を行い、空き家の状態把握・所有者等の特定に努めるとともに、空き家等及びその跡地の活用を検討し、「特定空家等」に対する必要措置を講じることを努力義務に位置付けた。

【空き家保有のリスク】

空き家リスク イメージ

〈外部不経済〉

近隣や社会に対しても悪影響や不経済であるような事。
○地域景観の悪化
人が住んでいない建物は劣化しやすので屋根や外壁にも影響が出てきやすい。外部は住んでいても木や草は成長するので、人が住んでいなくて放置されているとゴミも含めて敷地の景観は非常に悪くなります。

○害虫の発生、野良犬・野良猫等野生動物の集中による環境悪化
人が住んでいないと、野良犬や野良ネコや最近では狸やハクビシンのような動物も住みついたりします。近隣に住む子供などに噛みついたりする事や糞などによる不衛生さも閑居を悪化させることにつながります。

○ゴミの不法投棄による環境悪化
誰も住んでいない家の敷地には、心無い人が生活ゴミを捨てに来たり、ゴミのポイ捨てをしたりすることが少なからずあります。その場合、誰もそのゴミの処分をする人がいないのでとても困ることになります。 もちろん、それらのゴミを地主が捨てなければならない義務はないのですが、捨てた人を特定できなければ結果的に捨てたり清掃を余儀なくされることが多いでしょう。

○雑草の繁茂、落ち葉の飛散、植栽の越境
雑草や落ち葉は景観への影響だけでなく、隣地や隣人への迷惑にも繋がります。特に樹木の枝が越境している場合は隣人とのトラブルに発展することが以外に多くあります。

越境した枝は隣人が勝手に切ることは法的にはできない事になっています。根っこは切れますが、枝はダメなので伸びてきた枝は隣人にとってほぼほぼ迷惑でしかないことになります。なぜなら、落ち葉や熟して落ちた果実は掃除が大変ですし、落ち葉が屋根や雨樋やベランダの排水溝に溜まると、雨漏れや下地の劣化の原因になります。

○建物や塀等の倒壊、屋根材・外壁材等の飛散・落下
劣化の進んだ建築物は倒壊の危険が増してきます。道路と塀は隣接している事が多く、倒壊すると、道路を通行している人に怪我をさせたり、場合によっては命を奪ってしまうことも起きます。それは、道路際に立つ建物であれば外壁の落下などにも同じことが言えます。

屋根材だと、瓦の飛散があります。劣化している瓦は、かけていたり、下地材に留めている銅線が切れていたり弱くなっていたりして、強い風や噴きあげるような風によって飛ばされることがあります。これは、台風が来ると頻繁にある事例です。

トタン屋根では、トタンを止めている釘等が腐食していたり、下地材の合板や木材が腐食していることが多く、強い風が吹いた時に前れ上がったり、飛ばされたりします。これも、台風が来た時によく起こります。
そういったものが飛散して、隣の家のガラスを割ったり、車を傷つけたり、人に危害を与えたりします。

○火災の発生・誘発
空家にはネズミが住み着いていたりします。そのネズミが電気の線を齧ることにより発火する原因になることがあります。他にも、放火の対象になりやすくもあるようです。 

○不審者の不法滞在
管理されていない空家には、人が入り込みやすく、住み着いていたり、犯罪の温床になったりします。

○ポスト(郵便受け)の悪用
具体例はわかりませんが、何にかの受け渡しに使われたりするという事例があるようです。

〈所有者責任〉

空き家所有者は、建物の崩壊など工作物に起因する事故で、工作保存に瑕疵がある場合、自己に過失がなくても責任を負わなければならない(無過失責任)。と、下に書いたような民法で定められています。

民法 第七百十七条

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2  前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3  前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

というような感じの法律です。参考までに。

〈建物の価値の低下リスク〉

壁や畳のカビの繁殖や腐食、屋根や建材・設備機器等の老朽化、給水管の錆びつきや汚れ、ネズミ等が配線をかじることでの故障や火災、屋根や窓周りの老朽化による雨漏れが起こりやすくなります。人が住んでいない家は劣化すのが早いです。ぱっと見はそれほど傷んでいないように見えても、リフォームやリノベーションをしようとした時に思った以上に大掛かりな工事が必要になることがよくあります。 

〈第三者の占有リスク〉

占有により時効取得されるという事等がある。以外と知らない人が多いかと思いますが、20年の占有とか灰によっては10年の占有でも時効取得の主張ができたりします。
そうではくても、占有者がいると出て行ってもらうのに手間がかかることがあります。

〈自然災害リスク〉

地震や台風等による建物の毀損や飛散による第三者への被害への懸念。火災保険や地震保険等に入っていない場合や損害額が保険金額上回る場合の経済的損失や資産価値の低下。昨今、自然災害の規模が大きく、近隣への迷惑や被害は大きくなり、火災保険の審査は厳しくななっていて経済損失が大きくなりがちです。

まとめ

空き家活用イメージ
空き家が増えていく理由と、空き家が引き起こすリスクや管理せづに持ち続けていることのリスクをまとめたみましたがいかがだったでしょうか。

空き家は、日本の経済においても埋もれ忘れられていた資産と見ることもできます。今までは、フロー型経済で作っては壊し作っては壊さないと経済が回らないという感覚が蔓延していました。今は世界的にもSDG’s等の取り組みもあり、継続可能な社会や経済に目が向き出しています。

壊して土地を流通させたり、農泊や民泊として活用したり、日本の文化を世界に発信することでアピールすべき価値観やそれに伴う経済効果に目を向けることでただの無価値なゴミだろうとしていたものがうまく活きるものに変わることを願っています。それができない状況の空き家も、ある程度の維持管理ができる体制があるとまた何かに繋がるのではないかと思います。


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Kazuya

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こんにちは。メニュー「MellowBretheのはじめに」のプロフィールに自分なりの考えを綴ってあるので、そんな人間が書いてるのを踏まえて読んでやって下さい。

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