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子供の音楽教育について今思うこと

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音楽家になるために学ぶ事は一般的に特に違和感はないと思うけど、普通教育の中での音楽がもっと大切に扱われるようになると良いのになあ、と思いつつ自分の小学生の頃の学校での音楽の事を材料に、人材育成における音楽の事を書いてみます。

小学校で音楽を楽しいと思えたコト

約32年前、自分は11歳くらいで小学5年生とか6年生ということになります。その小学校では、先生が良かったのかたまたまなのかそういう時代だったのか分かりませんが、楽器を使う事が多くありました。現在の我が子達は自分と同じ小学校に通っていましたが、全くそういった教育は受けていないようです。それはとても残念です。そして、自分達が小学生の頃に多くの楽器を演奏させてくれた事にすごく感謝しています。

楽器を使う自分が小学生の時のイベント

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卒業式での演奏
運動会の入場曲の演奏
連合音楽会での演奏と合唱

この3つを覚えています。

卒業式には6年生を送るために5年生が蛍の光を演奏しました。自分は木琴(マリンバ)だったと記憶しています(鉄琴だったかな?)。マリンバの音は今でも大好きです。

連合音楽会では、バスアコーディオンを引いた記憶があります。苦手意識を持っていたことを覚えています。何の曲を演奏したのかは全然覚えていません。歌は色々な曲を歌い、テレビなどで流れてくると思い出して口ずさんでしまいます。

運動会では黄色いリボンを更新しながら演奏しました。ここではトロンボーンでした。この時の経験が良かったように思います。

小学生の高学年の時期に、木琴(マリンバ)とアコーディオンとトロンボーンの3つの楽器を弾く経験を与えていただきました。ちなみに、保育園児の頃にはスネアをおなかの前に抱えて叩きながら行進する練習をしたり、本番に帽子をかぶって太鼓を叩いていたことを今でも覚えています。縦笛ピアニカも音楽の授業でやっていたので、合計6つの楽器を経験させていただいたことになります。正確に言うと、カスタネットとかトライアングルとかマラカスとかタンバリンもあります。

その中でも思い出深いのは、木琴の柔らかい音色と運動会でのトロンボーンです。運動会で演奏する楽器は、自分たちの頃は6年生の卒業前に代々先輩から受け継ぐ形で楽器の練習をしていました。先輩から教えら後輩に引き継ぎます。トロンボーンで、F1の車の通りすぎる音の真似をしたり映画の効果音のような音を出して遊んでいたことを覚えています。

先生に、「トロンボーンは音感が必要だからあなたにお願いしたのよ」と言ってもらえたことは今でもよく覚えています。すごく自信にもなったし、モチベーションを継続することに繋がりました。今の自分としては、音感ないな~とよく思うので、やる気を出させるための言葉だったのかもしれないですけど、それでも色んな意味で良い言葉として心に残っています。

当時の音楽の先生には良いイメージしか残っていません。多くの男の子がそうであるように、自分も歌を歌うのに苦手意識があって、声が地声でしか歌えなくて楽しくなかったのですが、その先生の助言でお腹から声を出して大きな声で歌う事がどういうことかが分かり、弾き声も高い声も出る事が嬉しかったことを覚えています。残念ながら、今の自分は歌が下手です。

こういったエピソードの中に、良いヒントがあれば良いなと思います。

楽器で遊ぶという感覚

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そのころの楽器を演奏することで良かったなと今思う事は、決まった曲をきちんと間違いなく演奏するという感覚だけでなく、楽器でいろんな音を出したりして適当に弾いたりして遊んで楽しむことができたことだと思います。

美術ではテーマを元に絵を生み出す事をしますが、音楽ではそういった創造的な事をした記憶がありません。でも、楽器の練習の中でたまたまそういう環境が生まれたわけです。

縦笛で曲を覚えて、皆の前で吹くのは嫌な思い出しか残っていないけど、チャルメラなどの分りやすくて皆が知っている簡単なメロディーを吹いたり、適当に吹いて遊んだりしたコトは楽しかった思い出が残っています。トロンボーンの時は、トロンボーンで先輩や後輩と音で遊んだことが楽しい思い出としてあって、それは、音で遊んだり何かを表現する事を体感できたということだということを今になって思います。

正しい事を正しく演奏する、ということより、音で楽しめるということを知ったことが、創造力や音楽の楽しみ方などを育むきっかけになったのだと思います。

正しく演奏することはもっと後で良いのでは?

子供の頃、決められた楽譜を歌や楽器で演奏するというのは、とても恥ずかしい事が多いのではないかと思います。なぜなら、楽器は自分の内面をダイレクトに表に出してしまいます。自分を出すことを抑制しがちな文化の中で、人前で自分の内面をさらしながらちゃんとしたことをやるということはハードルが高すぎではないかと感じています。

しかも、それを皆の前で一人ずつ課題曲を吹いたりするのは、音楽を得意としていたり音楽家を目指している人にとっては良いハードルかもしれませんが、子供としては苦手意識を植え付けられたりトラウマになったり、音楽を忌み嫌う原因にすらなっているように感じてしまいます。

曲を弾くのも一つの音楽ですが、音が出るもので楽しむ、というコトがその原点なのではないかと思います。

音で落書きをする

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自分は、音を出すもので遊ぶのが好きです。子供の頃もそうだったかは覚えていません。でも、運動会の時に太鼓を叩きまくったり、机をたたいて音を出したり、手を叩く音でリズム遊びをしたり、足音や水をはじかせる音を色々試してみたり、いろんな音の出し方を試しながら遊んでいたことは覚えているし、今でもよくやります。

曲を作る、という事もやりますが、自分にとっては純粋に楽しいだけの行為ではないです。

という事をふまえつつ、最近の音楽ツールを目の前にして思う事があります。

それは、子供に音楽を教えるにあたって、まず初めに、いろんな音が出るサンプラーなどを使って貰って適当に2小節くらいのリズムや音を録音してみたり、それをループさせるといった事で、小さな創作物を作る実体験をするのが良いのではという事です。

絵具やクレヨンで落書きするのと同じように、いろんな音で落書きをしてもらう感じです。

次に、身近にある音をサンプリング(録音)して、その音を使ってまた落書きをしてもらいます。そういった事から、音楽の小節やリズムや和音の響きや曲の構成に興味を持って貰いつつ、そしていろんな音楽をちゃんと聴かせつつ進めていくというやり方です。

その過程というか、前提として、色々なジャンルの音楽のリズムの感じ方や特徴を教える事がとても基本的でシンプルで重要なことだと思います。

そして、色々な楽器で音を出してみたりとか、楽器で音を出す楽しみとか、適当にメロディーを作って遊ぶとか、そういった事をやる事が大切なんだと思います。実際に、そういった経験に後に専門的な教育を受ける方がスポーツも音楽も後に結果を出すように育つことが多い事が分かってきたそうです(「RANGE」著:デビッド・エプスタイン参照)。

最近、子供たちにそういった学びの機会があると良いなあと感じる事が多くなりました。

音楽を楽しむという文化

日本では音楽に対する評価が厳しいように感じることが多いです。プロでない人の音楽は原則認めようとしないし、プロでない人の音楽では楽しめないと思っているようにすら感じる時があります。時代や社会的にマイノリティな音楽では特に、技術や想像力があったとしても家族を持つには収入が難しいくて専業のプロの道を選ばない人もたくさんいます。

そういった人でもプロではないので認められないし、認められないどころか音楽をやっている変な人、というような見られ方すらしているのが現状のように感じます。

稼げる人が正義という基準がとても強い事と、多数派に人気が出ないと認められ難い事も、創造性や楽しむという事を阻害する要因でしょう。

創造性を楽しむ感覚は共有しにくいとも感じます。技術の高さは必要な要素ではありますが、音楽の本質から見ると技術が高くなくても楽器が弾けなくても、感動や癒やしや元気を貰えるような音楽は生まれます。

技術的に高くなくないと不快な音楽家というとそうではないし、技術的に高いから楽しめたり感動できるわけでもありません。もっと自由に日常的に音楽を楽しみ合えたら良いなとよく思います。

シンプルにリズムを感じたりノリに合わせられて、シンプルなメロディや言葉を感じる事ができればきっと、もっと楽しめるし、シンクロ感や躍動感を感じる事が出来る様になるはずです。

世界の音楽

世界には色々な音楽がある事を知る事は、音楽を楽しむためにも、音楽という意味だけではなく、とても重要な事です。

例えば、クラシック・ラテン・ジャズやブルースなどはそれぞれリズムの取り方も違うし、歴史も違います。(クラシックのリズムの取り方しか知らないと、ブルースやジャズやヒップホップなどのリズムを楽しめない可能性もあります。)

それ以外にも、アフリカの太鼓はコミニュケーションの1つと言われている事など、色々な違いがあります。

このように、世界には色々な文化がある事や世界のサイズ感をイメージしやすくやります。そして音楽の融合や発展は、それらの文化が融合できて新しいモノが生まれる可能性を感じる事ができます。

色々な音楽をちゃんと学び取れれば、日本人はそれを混ぜたりアレンジして、それらの基本的な音楽を超えた日本ならではの音楽を沢山生み出せるのではないかと感じます。

きっと、地域や音楽によって音楽の捉え方や意味などに様々な違いがある事を知る事は、ポジティブに多様性を認めたり活かすイメージを学ぶ事になるはずです。

まとめ

一般教育としての音楽の学び方によって、もっと音楽を楽しめたり、音楽以外の学びに対しても相乗効果があったり、音楽をやっている人達への偏見が減ったりするのではないかと思います。
偏見とまでは言えないカモしれませんが、野球を趣味で活動している人と音楽をアマチュアで活動している人を比べると、どちらの人間にも、性質は違えど素敵な人もいれば困った人も同じ比率でいると感じているのですが、音楽をアマチュアで活動している人に対しては冷ややかな人が多いのは確かだと思います。

下手でもスポーツでは楽しめるように、音楽も下手でも一緒に楽しめるようになると(カラオケだとできるてるのになあ)、日本人特有の律儀さや真面目さを持ちつつも柔軟さやワクワク感みたいな感じがもっと出てくるのではないかと思う次第です。

音楽を楽しみ音楽の事を知る事は、コミュニケーションや表現・心の部分や価値観の理解・答えの無い事に対する判断への考え方や違いのある事への多様性を育むのに大きな意味があると感じているわけです。

そして、自分事として、小学生の頃に色々な楽器を遊びに近い感覚で音を出したり、皆で一つの曲を演奏して楽しむ機会を与えてくれたことに感謝の気持ちを表現したいという思いが出てきたので、音楽と学びについて書き記させていただきました。

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Kazuya

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こんにちは。ブログやプロフィールで自分なりの考えを綴っているので、そんな人間が書いてるのを踏まえて読んでやって下さい。
ちなみに、プロフィール写真の我が子は現在高校生になっています。

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