建築 -Architecture-

同じ大きさの住宅でも予算が違う理由【サステナブル建築】

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同じ大きさ(延べ面積)の住宅でも、建築にかかる予算は結構大きく違います。依頼する住宅会社によっても違いますが、同じ住宅会社でも違います。

建築現場で約10年、建築営業とコーディネーターなどを約10年やってきた経験から、どのような要素で価格に違いが出てくるのかをまとめるので参考にして下さい。

どんな会社に依頼するかによる違い

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住宅を建てようとすると、だいたいはどこかのハウスメーカー・ビルダー・工務店・建築事務所・建設会社などに依頼する事になります。

そこで生まれる疑問の一つに、ハウスメーカー・ビルダー・工務店の違いは何なのか?という事があります。その違いを少し整理して、予算に対するメリットデメリットを挙げます。
ハウスメーカー・ビルダー・工務店・建築事務所の違いについてはこちらを参考にして下さい。
→ハウスメーカー・ビルダー・工務店・建築事務所の違い

ハウスメーカー

使われている素材や内装のコストに対しては高めの価格設定です。その価格の中には、建物自体の経費に対し、広告費や人件費が他の形態に比べると大きなウェイトを占めています。その分管理体制は他に比べしっかりしています。資材は、海外との取引・仕入れをしていたり、年間の仕入れ量が大きいという事もあり、安く仕入れやすい環境にあります。ただ、工事をする職人へ支払う工賃単価はかなり抑えられています。

ビルダー

建物自体の経費と他の部分とのバランスについては、ハウスメーカーの縮小版といったところです。仕入れは、それぞれの規模や能力によって大きな差かあります。建物に使われている材料や内装の仕上げなどは、それぞれの特徴や考え方によりバラバラです。人件費などや管理に対してのコストの掛け方もバラバラです。

そういう意味ではバラツキがありすぎて、「ビルダー」という特徴だけでの価格への影響は小さいと言えます。

工務店

工務店もビルダーとほぼ近いでしょう。影響があるとすれば、ハウスメーカーやビルダーはモデルハウスを何棟か運営しながら集客やお客様へのプレゼンをする事が多いのですが、工務店にはそういったモデルハウスを常に維持しているところは少ない事による経費の影響です。

ただ、年間着工棟数は少ない傾向が強いので、資材の仕入れ価格は割高であったり、職人さん達への支払い単価は高い傾向にあります。もちろん、支払いが高い事は価格に反映され易いですが、職人さん達の質は高くなる傾向にもなりやすいのも本当です。

設計事務所

設計事務所は、建物自体への価格というよりは、設計に対する料金や価格設定です。逆に言えば、広告や営業活動に対する経費はあまりかけていない事が多いとも言えます。

ハウスメーカーやビルダーは住宅に特化(集合住宅も含め)していますが、設計事務所はビル建設や商業施設などの設計などの様々な設計を請け負う中での住宅設計施工管理です。そうなると、ハウスメーカーやビルダーや工務店などは、社員などを抱えていたり株主もいて、それぞれの会社規模維持や成長を求められる上での価格設定と競争がありますが、設計事務所はそのあたりは利益確保のターゲットは分散しますので、極端な値下げや値引きは少ないと考える事ができます。

誰に依頼したかによる違い

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友達・親の知り合い・会社繋がり・縁故を使わずに自分で探して見つけた会社の人、いろいろ入り口はあって担当者を決めていく事と思います。その担当者と自分との関係性によって価格に影響があるのかと言うと・・・、正直その担当者の考え方や性格次第です。

まず、少しでも割安にしてあげたいと思うかどうかもその人次第です。そして、少しでも割安にしてあげたい!と思ったとして、そこからの値引き、値引きしても施工などの質を下げないようにできるかどうか。

これは、担当者の能力や会社の体質に大きく依存します。安くするには自分の腹も傷める必要がある事が多いですし、値引きしても今度は支払いの質が下がる事によって職人さん達の仕事や連携が上手く進みにくい状況が生まれがちです。それを、違うカタチで上手にフォローできないと、後々そのしわ寄せが発生する可能性がでてきます。

安くする事によって後々迷惑が掛かりやすいのであれば(建築に携わっている人の多くの人は頷くことですが、安くした建築請負工事は気を付けて施工をしても何故か問題が起きやすい、というジンクスというかほぼ事実があります。)、安くしてあげる事が施主の為にならないので、その塩梅をしっかり見極めて予算を出してあげるのが親切心とも言えます。

建物の内容による違い

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素材による違い

自然素材を使うと単価は高くなります。材料自体が手に入りにくかったり、保存しにくかったり扱いにくかったり、上手に施工できる職人が減っていたり、経験と知識を持って管理できる者が減っている。そういった理由で、コストが上がります。

屋根を瓦で葺く場合でも、瓦の種類や葺き方で変わります。外壁も種類で変わります。内装では、床材の材種で大きく変わります。簡単な話、材料の値段とその素材を扱って施工するための手間代で変わってきます。

内壁の仕上げも、ビニールクロスが一般的には多いですが、タイル・石・左官塗り壁などにすれば材料費・施工費・時間・が掛かってきます。
当たり前と言えば当たり前ですが、実際には意外と認識していない人が多いです。

施工の見えないところ

同じ素材の仕上げでも、どれだけの手間(職人の腕というより、工程数や時間)を掛けるかで変わります。この工程は、地味なところなので一般的な施主には理解がされにくい事もあり、コストカットの名目で合理化(悪くいうと手抜き?いやいや、やっぱり合理化?)される事が多いです。

例えば、クロス貼りで挙げてみましょう。

そもそも、木造であれば胴縁があるかないかから違ってきます。あるなら、どんな胴縁材を使っているか、胴縁は柱や間柱のズレをちゃんと調整して取付けてあるか。

LGS下地(金属の下地)なら、ビスの頭の出やランナーの歪みやスタッドの歪みが許容範囲になっているか。その上で、石膏ボードが窓周りなどは切り欠いて張ってあるか。石膏ボードのビスの頭が出ているのもは締め直しているか。ジョイントテープやコーナー下地を貼ってあるか。パテ処理に時間をかけているか。

そして、そこから初めてクロス貼りの腕前が試されてきて、カッターの入れ方などで綺麗さ加減が変わって来るのです。このように、完成後の長持ち加減は、以外とクロスを貼る前の工程に掛かってきます。

クロス屋さん1人の力で、クロスが綺麗に長持ちする施工になるわけではありません。

それなのにクロス屋さんのせいにされたら、クロス屋さんのモチベーションは下がりやすいですよね。(だからと言って会社の体制が悪いとは言い切れないし、職人さんの考え方や施主の考え方も同じウェイトで影響するポイントになります。)

その見えにくい工程をどこまで抜かずにやっているかが大きく関わってきます。コストを抑えるとそういう部分は合理化されやすい工程になります。クロス仕上げの例を挙げましたが、こういった要素は結構沢山あります。

ここで注意が必要なのは、この部分を抜かずにやっていても他の部分の努力でお安く提供できている会社もあるという事です。でも、ここまで管理できていなかったり、職人任せになっている会社は意外にも多く存在すると思います。

このような見えにくい仕事が評価されない(どの分野でも)風潮が強かったのも悲しい現実かな、と思います。特に、使い捨て文化が浸透してからは顕著だと言えるでしょう。最近では、専門性や質の高さに目が向けられていますので、今後は変わって行くかもしれませんね。

逆に、「サービス」という名目の元、あまり意味のない事にコストを掛ける事で予算が上がってしまうこともあります。しかし、この気遣いによって施主が気持ち良く建築工事を見届ける事ができ、より良い気分で入居できるのであれば必要なコストだとも言えます。

施工量の違い

その会社が年間に施工する棟数により、職人さん達への支払い単価が変わる事があります(職人さんにお願いする仕事量を安定して確保する事で職人さんが安くても請けてくれる)。資材の仕入れは、量が多い方が安く仕入れる事が出来るのは、どの業界でもある性質です。その影響はありますが、それが実際の価格設定にどこまで影響させるのかはその会社の戦略の一つですので、あくまで要素としてはあるよ、という感じです。

建売

建売は、同じ区画で同時に数棟建てる事が多いので、一棟一棟別の場所に建てるよりははるかにコストは下がります。職人さんなどにも、まとめていくら、と言った感じで依頼しやすいです。それに、工事中に施主からの変更や施主による事情で工期がズレにくいので、そういった面も経費だけでなく、管理もしやすく、他の案件にも悪影響を及ぼす可能性か少ないという事もあります。

建物の形状による違い

外壁が入り込めば入り込むほどコストは上がります。材料も手間もかかるからです。外壁が入り込むという事は、屋根も形状が複雑になりがちです。屋根が複雑になると屋根の施工にお金がかかりますし、雨仕舞いも悪くなるのでより見えないコストがかかります。

窓が多いと、壁の面積に対しての単価が上がるので(窓は石膏ボードやその下地材より高い)予算は高くなります。

質の良い無垢の木を構造材に使うと高くなります。それは、純和風の住宅であり真壁(柱が見えている壁)造りである場合が多いです。

構造によってや会社の設計基準によっては基礎工事にも違いが出ます。地中梁が必要だったり、基礎の立ち上がりの量が違ったり、鉄筋を並べるピッチが違ったりします。(立ち上がりの配置で強度をとるのか、配筋量で強度をとるのかといった考え方の違いもあります。)

平屋建と二階建て

平屋は、二階建てよりも一坪辺りにかかる単価は高くなります。同じ延べ面積なら平面に広がるより、上に半分乗せた方が割安になります。
何故でしょうか。
住宅は、基本的に基礎と屋根で挟まれています。平屋だと一階だけなので、その基礎と屋根は1階の床だけの為にありますが、2階建になると1階と2階の両方の為になるので同じ面積にすると割安になる訳です。

その他

他にも、ベランダ・中二階・吹き抜けを作ると予算は上がりますし、キッチンなどを高級な物にすれば単純に上がります。
オーバースペックによるコストアップもあります。例えば、無駄にたくさん筋交いや耐力壁があれば良いわけではありません。例えば、上物が重くなればその分基礎や地盤にお金がかかります。全体の素材や構造などの相性とバランスが大切ですので、必要以上な造りやサービス(それぞれの価値観の違いによって変わります)自分なりに見極めるのは大切な要素になります。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。

結構たくさんの要素があります。ここに書かれていない要素もありますが、住宅を建てる計画を立てる時にはそれなりに参考になるかと思います。お金がかかるものはかかりますし、それでもお金を使うならばちゃんと使うべき事に使えるようになりたいものです。

職人さん達にも生活がありますし、購入する施主にも生活があります。その間にいる会社の従業員にも生活があります。その中でセコイ事をしても、同じ釜の中にいるので、結局はみんなにしわ寄せが来てしまいます。できれば、理解し合って相乗効果を狙えると良いなと常々思います。

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Kazuya

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こんにちは。ブログやプロフィールで自分なりの考えを綴っているので、そんな人間が書いてるのを踏まえて読んでやって下さい。
ちなみに、プロフィール写真の我が子は現在高校生になっています。

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